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高齢者の食塩の経口摂取で血圧が上昇する機序は?

No.5183 (2023年08月26日発行) P.54

加藤公則 (新潟大学大学院生活習慣病予防・健診医学 講座/新潟県労働衛生医学協会)

石上友章 (横浜市立大学附属病院循環器内科教授)

登録日: 2023-08-28

最終更新日: 2023-08-23

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  • 高齢者の食塩の経口摂取で血圧が上昇する機序についてご教示下さい。
    横浜市立大学附属病院・石上友章先生にご解説をお願いします。

    【質問者】加藤公則 新潟大学大学院生活習慣病予防・健診医学 講座/新潟県労働衛生医学協会


    【回答】

    【食塩感受性という病態があり,腎尿細管のナトリウム再吸収がカギになる】

    高血圧は,わが国で約4000万人が罹患する,重要な生活習慣病です。食塩摂取量と血圧値との間には,相関関係があることが知られています。日本高血圧学会の「高血圧診療ガイドライン2019」では,減塩目標として食塩6g/日未満を提唱しています。経口摂取された食塩は,体内に吸収されたのちに,腎臓を介して,尿中に排泄されます。腎臓の糸球体は,限外濾過により,血漿由来の原尿を生成します。血漿中のナトリウムは,ほぼ100%が原尿に分泌され,尿細管を通過する過程で,99%が再吸収されると考えられています。Guytonらの提唱する圧-利尿曲線(Ⅱ型の腎機能曲線)によると,ナトリウム排泄量・ナトリウム摂取量にかかわらず,血圧は狭い範囲に調節されます。生理的な腎機能の条件下では,食塩摂取量にかかわらず,血圧は一定に保たれると考えられます。

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