株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

脂漏性皮膚炎[私の治療]

No.5151 (2023年01月14日発行) P.44

佐藤貴浩 (防衛医科大学校皮膚科学講座教授)

登録日: 2023-01-15

最終更新日: 2023-01-10

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 被髪頭部や顔面など,いわゆる脂漏部位に生じる湿疹・皮膚炎の一型である。40~50歳代を中心に成人期にみられるものと,新生児・乳児期に一過性にみられるものとがある。また,HIV感染者にも生じやすい。皮脂分泌の亢進と皮膚常在真菌のマラセチアの関与が推定されている。

    ▶診断のポイント

    成人では被髪頭部,眉毛部,鼻翼周囲や鼻唇溝,外耳孔周囲,耳介三角窩,耳介後面などに粃糠様鱗屑を伴う紅斑がみられる。また,胸部や背部,腋窩,鼠径部などの辺縁に鱗屑を付した類円形紅斑としてみられることもある。かゆみはないか軽度であるが,被髪頭部の脂漏性皮膚炎はしばしば強いかゆみを伴う。

    新生児・乳児では被髪頭部,前額,頰などに鱗屑を付す毛孔一致性丘疹や厚い脂性の痂疲をつけた紅斑がみられる。皮脂分泌の亢進がみられる期間が主であり,多くは1歳頃までに症状は落ち着く。

    脂漏性皮膚炎はごくありふれた疾患であり,一般的には診断が容易である。ただその一方で,鑑別しておくべき疾患は多い。成人の被髪頭部・顔面の脂漏性皮膚炎では染毛剤・ヘアケア製品・化粧品などによる接触皮膚炎,尋常性乾癬,頭部白癬,そして酒皶・酒皶様皮膚炎が,また体幹・間擦部・鼠径部などでは白癬,カンジダ性間擦疹,紅色陰癬,乳房外パジェット病などがある。新生児・乳児の脂漏性皮膚炎では新生児痤瘡,アトピー性皮膚炎,そして稀ながらランゲルハンス細胞組織球症などを見わける必要がある。

    残り815文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top