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Stevens-Johnson syndrome(SJS)/toxic epidermal necrolysis(TEN)の新知見について

No.5098 (2022年01月08日発行) P.47

武市拓也 (名古屋大学医学部皮膚科講師)

小川陽一 (山梨大学大学院医学工学総合研究部医学学域臨床医学系皮膚科学講座講師)

登録日: 2022-01-07

最終更新日: 2021-12-28

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  • スティーブンス・ジョンソン症候群(Stevens-Johnson syndrome:SJS)/中毒性表皮壊死症(toxic epidermal necrolysis:TEN)の新知見についてご教示下さい。山梨大学・小川陽一先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    武市拓也 名古屋大学医学部皮膚科講師


    【回答】

    【SJS/TEN発症に好中球のneutrophil extracellular trapsが関与することが明らかとなった】

    SJS/TENは薬剤特異的CD8陽性T細胞やナチュラルキラー細胞が皮膚に浸潤し,可溶性FasL,perforin/granzyme B,granulysinといった細胞傷害因子の産生を介して表皮・粘膜が壊死する致死性薬疹です。2016~18年に行われたわが国の疫学調査では,SJS,TENの致死率がそれぞれ4.1%,29.9%と前回調査より悪化していました1)。これは高齢化,新規薬剤の増加が関連すると考えられますが,SJS/TENの診断・治療は改善の余地があります。特に早期診断バイオマーカーの開発は有用ですが,可溶性FasLなど有望なバイオマーカーも実臨床での応用に至っていません。

    我々はSJS/TEN患者の末梢血好中球がneutrophil extracellular traps(NETs)を形成していることを見出し,SJS/TENとNETsの関係を検討しました2)。これまで皮膚科学の成書において「SJS/TENの病変皮膚に好中球は存在しない」と記載されてきました。しかし,SJS/TENの病変皮膚,水疱内容液には好中球が存在します。確かにこれら好中球はHE染色では観察が難しいです。なぜならば,好中球の1つの細胞死形態であるNETsを形成し,形態変化を起こしているためです。そのため,好中球に比較的特異的なマーカーであるCD66bやNETs形成を示唆するLL-37で染色することで可視化されます。

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