【質問者】
生田克哉 旭川医科大学病院第三内科(血液・腫瘍内科) 講師
【血球の異型性が乏しい場合は先天性の可能性を考慮する】
鉄芽球性貧血は,ミトコンドリアに鉄が異常に沈着した環状鉄芽球の出現を特徴とする貧血の総称で,先天性と後天性の様々な病態が含まれています。
先天性鉄芽球性貧血は,赤血球におけるヘム・鉄代謝に関わる遺伝子の変異が原因となりますが,最多のものは赤血球型5-アミノレブリン酸合成酵素(ALAS2:5-aminolevulinate synthase 2)の変異です。ALAS2遺伝子はX染色体上に存在するため,変異アリルのヘミ接合体による男児発症,小球性貧血,鉄過剰症(肝障害・心不全・糖尿病など)を特徴とします。一方,ALAS2の変異が重度の機能喪失型の場合は,女性のヘテロ保因者においても成人期に先天性鉄芽球性貧血を発症することがあります。
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