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よくわかる病態生理 5 血液疾患

病態生理を軸として疾患をより良く理解するシリーズ

定価:4,620円
(本体4,200円+税)

在庫切れです

編集: 松尾 理(近畿大学教授)
判型: 菊判
頁数: 176頁
装丁: カラー
発行日: 2007年10月13日
ISBN: 978-4-7849-1560-6
版数: 第1版
付録: -

病態生理を軸として、疾患をより良く理解するためのシリーズです。「医学教育モデル・コアカリキュラム」に示された疾患と症候について、初学者向けにやさしく解説しました。いかにして正常機能の破綻が起こり、どのような変化(症候,検査)が現れるかを理論的に学んでいきます。疾患の成り立ちをしっかり理解して、診断学・治療学の基礎を身に付けてください。

診療科: 内科
    血液内科
シリーズ: よくわかる病態生理 シリーズ

目次

第1章 貧 血
骨髄の構造
赤血球の分化と成熟
赤血球の構造とヘモグロビンによる酸素の運搬
ヘモグロビン合成と鉄代謝
貧血の分類・鑑別
鉄欠乏性貧血
再生不良性貧血
巨赤芽球性貧血
溶血性貧血

第2章 白血病と類縁疾患
白血球の種類と機能
白血球の分化・成熟と白血球数の異常
急性白血病
慢性骨髄性白血病
慢性リンパ性白血病
骨髄異形成症候群
成人T細胞白血病
真性多血症

第3章 悪性リンパ腫と骨髄腫
リンパ節の構造と機能
リンパ節腫脹
悪性リンパ腫
多発性骨髄腫
単クローン性免疫グロブリン血症

第4章 出血傾向,紫斑病,その他
血小板と止血機序
凝固系と止血機序
線溶系
血漿蛋白質の種類と機能
血栓傾向
出血傾向
特発性血小板減少性紫斑病
血友病
DIC
血栓性血小板減少性紫斑病
溶血性尿毒症症候群
アレルギー性紫斑病

第5章 脾 腫
脾臓の構造と機能
脾腫をきたす疾患

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序文

編集にあたって

血液は、進化の過程で様々な機能を取り入れ、人類で最も高度に制御されているシステムです。そのような背景から、血液疾患は非常に幅広く、種類も多いという特徴があります。また、血液という存在は全身に影響を及ぼすので、絶えず全身を診る習慣が必要です。近年、心筋梗塞や脳梗塞、さらには肺塞栓など血栓塞栓性疾患が社会的に注目されています。これら血栓塞栓性疾患は、関連する他領域の理解も深めながら学習すれば、全体像を理解しやすいといえます。
一方、血液独自の疾患としての白血病などは、他領域からコンサルトされるものであり、病態生理を核として、病状や異常検査値が生体のどのメカニズムの異常によりもたらされているかを理解しておく必要があります。これは単に血液関係の学習に限らず、多くの分野に共通する学習方法です。このような学習方法を身につければ、良く言われる「血液はむずかしい」というのが誤解であることが見抜けます。簡単に言えば、血液疾患の病態生理をしっかり学習しておけば「血液はやさしい」のです。闇雲に暗記するのではなく、「なぜそうなるのか?」「どこの異常がこの症状をもたらしているのか?」など疾患の基礎になる病態生理を理解し、病態生理から患者さんの症状や異常検査値を説明し、また逆にさかのぼって遺伝子のどの異常が原因で症状が出ているのかを説明できれば、臨床実習でも本書が大変役立つでしょう。
血液がむずかしいと言われるもう1つの理由として、血液疾患の数が多いことがあげられます。これは昨今のバイオテクノロジーの進歩により遺伝子レベルで原因が解明されつつあるので、生物の基本的理解を細胞生物学などを通して復習しておけば、暗記に走ることなく、病態生理で説明できます。そうすれば、血液学の面白さが分かってきます!
本書は、単に血液学コースのためにあるのではなく、多くの臨床実習の現場でも役立つことをねらった分かりやすい図を多用した表現と内容になっています。CBTや国家試験が念頭にある学生さんだけでなく、研修医や、さらに生涯学習を行う医師にとって、本書に詳述してある病態生理を核にして臨床推論能力を高めることになれば幸いです。

2007年夏
松尾 理

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