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ハーバード医科大学院 研究留学の教科書【電子版付】

あなたも世界最高峰のラボへ!

「キャリアイメージが漠然としている」「フェローシップ獲得の戦略は?」「CVはどう書く?」「ハーバード医科大学院(HMS)ならではの利点は?」「日本でもハイレベルな研究ができるいま,留学する意義は何なのか?」
HMSをモデルとして,先輩達が“自分が留学前に知りたかった”留学のリアルや失敗談を詰め込みました。
●実際にフェローシップをしっかりと獲得して留学に臨んだ先生方はどのように申請書を書いているのかも詳細に解説。
●留学前・中・後が具体的にイメージできる本です。

「キャリアイメージが漠然としている」「フェローシップ獲得の戦略は?」「CVはどう書く?」「ハーバード医科大学院(HMS)ならではの利点は?」「日本でもハイレベルな研究ができるいま,留学する意義は何なのか?」
HMSをモデルとして,先輩達が“自分が留学前に知りたかった”留学のリアルや失敗談を詰め込みました。
●実際にフェローシップをしっかりと獲得して留学に臨んだ先生方はどのように申請書を書いているのかも詳細に解説。
●留学前・中・後が具体的にイメージできる本です。

編著
西本祥仁 (慶應義塾大学医学部神経内科 専任講師)
判型A5判 ページ数264 刷色カラー 版数第1版 発行日2026年01月01日 ISBN978-4-7849-8810-5 付録無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) 診療科
紙の書籍
税込4,400
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目次

1章 留学の地Bostonを知る
【1】Bostonの特色:新しき時代と古き伝統の融合
【2】Bostonの歴史:時代に育まれた独立心

2章 準備期間
【1】行き先ラボの決定
1.ラボ選びの視点と戦略
2.魅力あるCVの書き方
3.インタビューの心得
4.あきらめない条件交渉術
【2】フェローシップ獲得
フェローシップ取得の意義・コツ
【3】出発前の準備
渡航のタイミングと出発前の準備

3章 留学中
【1】生活のセットアップ
1.渡航後の生活セットアップのエッセンス
2.子育てと研究を両立するために
【2】HMSでの仕事術
1.Bostonエリアの学術エコシステム:交流から生まれる科学の革新
2.Physician Scientist としての研究
3.トップジャーナル投稿の実現化に向けて
4.HMS内でのコラボレーションの極意
5.女性研究者としてのHMS留学とスタッフ経験
【3】多分野交流で広がる視野
1.MIT:医学と工学の学際的研究が生み出す力
2.企業:産学の垣根を超えたアイディア創出と展開
3.Additional Information:ブロード研究所とリサーチエコシステム
【4】週末の過ごし方
1.Bostonの四季の楽しみ方
2.ハーバード大学職員の福利厚生

4章 留学後
【1】帰国してのキャリア形成
1.国内公募プロジェクトという選択肢
2.製薬企業という選択肢
3.他大学という選択肢:人生に後悔しない次の一歩の選び方
【2】米国でのキャリア形成
1.応募する側とされる側,双方の視点から見たジョブハンティング
2.若手研究者のためのNIHグラント申請の戦略と書き方
3.HMSにおける昇進プロセスの真実
【3】留学の意義
未来のHMS留学への架け橋


執筆者一覧(*所属・肩書は執筆時点のものです)
編者
西本祥仁 慶應義塾大学医学部 神経内科 専任講師

執筆者(執筆順)
岸 憲幸 国立研究開発法人理化学研究所脳神経科学研究センター マーモセット神経疾患モデル研究チーム 研究員
加藤裕之 HMS/Massachusetts General Hospital Krantz Family Center for Cancer Research/Broad Institute Cancer Program, Postdoctoral Fellow
竹田玲奈 Dana-Farber Cancer Institute, Pediatric Oncology Research Fellow
永田泰史 産業医科大学 第2内科学教室 学内講師
藤岡正人 北里大学医学部 分子遺伝学 教授
山口そのみ Dana-Farber Cancer Institute, Department of Cancer Immunology & Virology HFSP Postdoctoral Fellow
八木隆一郎 Brigham and Women's Hospital, Division of Cardiovascular Medicine Research Fellow
櫻井 準 杏林大学医学部 精神神経科学教室 講師
樽井(金子)智子 Tufts University School of Medicine, Department of Obstetrics and Gynecology, Assistant Professor
鈴木直輝 東北大学大学院医学系研究科 臨床障害学分野 准教授
千原典夫 神戸大学大学院医学研究科 脳神経内科学分野 教授
笹部潤平 慶應義塾大学医学部 電子顕微鏡研究室 准教授
八木正樹 Massachusetts General Hospital, Department of Molecular Biology Research Associate
隈丸加奈子 順天堂大学大学院 健康データサイエンス研究科 教授
廣瀬理美 シンクサイト株式会社 応用研究部(Applied Research)研究員(Scientist)
小山彰比古 エーザイ株式会社 理事,DHBLクリニカルリサーチ デジタルイノベーションヘッド
堀田 亮 HMS, Assistant Professor. Massachusetts General Hospital, Department of Pediatric Surgery
芝田晋介 新潟大学大学院医歯学総合研究科組織学分野 医学部顕微解剖学教室 教授
坂野晴彦 京都大学iPS細胞研究所 増殖分化機構研究部門 特命准教授
藤村公乃 アッヴィ合同会社 開発本部 Assistant Medical Director
川上聡経 京都大学大学院医学研究科 皮膚科学 助教
加藤洋一 名古屋市立大学大学院医学研究科 細胞生化学 教授
飯島弘貴 Harvard Medical School, Department of Physical Medicine & Rehabilitation Assistant Professor
森實隆司 Massachusetts General Hospital, Division of Nephrology, Associate Professor
武岡正方 Boston Childrenʼs Hospital, Department of Neurology Staff Physician, Harvard Medical School Assistant Professor

序文


ハーバード医科大学院への留学に興味を持って下さった読者の皆様へ

本書を手にした方の多くは,ハーバード医科大学院(Harvard Medical School:HMS)に留学したい,一流研究者をめざしたい,と考えておられると思います。本書は,HMS留学の経験をもとに後進の若い研究者のために何か力になれることはないか,日本のそして世界の医学界を一流の研究者として将来率いていってほしい,と願う先生方が集まり書かれました。
ハーバード大学の運用資金の総額は569億ドル,およそ8.5兆円にもなり,この資金の利潤を各研究者や大学の取得する研究費に加えて研究に活用しています。たとえば日本の京都大学,東京大学の運用資金の総額が500~600億円であることと比較すると,その規模の大きさが理解できるでしょう。HMSは,研究を行う場としても,そして一流研究者を育成する教育機関としても,本当にお勧めしたい医科大学院の1つです。
米国ボストンで勃発した独立戦争(1775~1783年)のさなか,1782年にHMSは創立され,240年以上の歴史の中で医学界に多くの革新をもたらしてきました。現在HMSは15の臨床施設と研究施設からなり,1,500人近くの教員が2,000人ほどの医学生,博士課程,修士課程の大学院生を含めた学生や訓練生の指導と研究を行っています。そして今まさに,米国政府機関に対して「学の独立」を打ち立てて堂々と屹立するハーバード大学のマインドは,米国が英国との独立戦争を経て独立した歴史とも無縁ではありません。米国,特にBostonに住む人々(ボストニアン)は,「自由と独立」を,学問を含めたあらゆる思想の根本として守り続けています。現在でも大きな政治的圧力がハーバード大学にもかけられていることは事実です。しかし,ハーバード大学のDEI(Diversity:多様性,Equity:公平性,Inclusion:包括性)を守り戦う姿勢には大義が伴っており,長くこのまま逆風が吹き続ける可能性は低いと見られています。そんな大学だから,そんな街だから,これから科学界を背負って疾走する若い皆さんに今なお自信を持って,HMS留学をお勧めしたいと考えます。
米国の政権がどの時代にあっても,「このタイミングで米国に留学することをどう思いますか?」という質問をよく受けます。確かに政権の重心によって研究費総額や研究費を配分されやすい研究分野が変動したり,米国籍を持たない人種への政策が揺れ動いたりすることは事実です。しかし,Bostonの街もそこで研究する人々の考え方も本質的に変わりません。また,不遇と言われる時代に留学を決意されると,上昇とチャンスの生まれる頃に留学生活が始まる可能性も高まります。禍福はあざなえる縄のごとく,どのタイミングでも人知に左右されないものです。ただ必要なのは,踏み出す勇気と計画です。
読者の方が流れをイメージしやすいように,本書は留学準備期間,留学中,留学後のキャリア形成,という時系列の章立てになっています。留学の表向きの良い面だけでなく,悩んだ点や注意すべき点など,なるべく読者の方の役に立つように配慮されています。HMSのあるBostonの街や研究室を舞台に,1人1人が悩み,喜び,興奮を感じながら研究者として成長した軌跡が躍動的に皆さんに伝わってくるのではないでしょうか。
科学は常に未来を切り拓くものです。読者の皆さんが求める未来は,きっとHMSの門をくぐった先に見えてくるはずです。そして皆さんがめざす未来への方向性や足がかりのヒントを与えてくれる先生や仲間,実現できる場所がHMSには必ず見つかると思います。先人の足跡をもとに,皆さん自身がHMSでの第1歩を踏み出す日が,より良い形で実現することを願っています。本書を研究留学成功のための教科書として傍に置いて活用して頂けたら,そしてBostonを第2の故郷として,一流の研究者が1人でも多く日本から生まれてくれたら,といつも祈っています。
若い次世代のために道筋を,というスローガンに共感し,本書の実現化に手を尽くして下さった日本医事新報社の皆様に厚くお礼申し上げます。そして,いつも支えてくれている家族に,とりわけBostonが静寂に包まれる雪の季節に旅立った祖母に最大限の感謝を込めて。
編者 西本 祥仁(にしもと よしのり)