ナトリウム利尿薬・新時代の処方哲学
パラダイム・シフトへの最適解
パラダイム・シフトに対応し、利尿薬リテラシーを磨き上げるための必読書
目次
総 論
1章 利尿薬の基本
1 利尿薬の概説
2 利尿薬投与に必要な腎生理
3 浮腫・うっ血の病態の相違と利尿薬
4 利尿薬が効果を発現するために必要なこと ─ 尿細管からの視点
5 近位尿細管に作用する炭酸脱水酵素阻害薬
6 利尿薬としてのSGLT2阻害薬
7 ループ利尿薬とサイアザイド系利尿薬
8 利尿薬としてのミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)
9 AVP V2受容体拮抗薬
10 ループ利尿薬の違い
2章 利尿薬が有効な病態
1 うっ血性心不全急性増悪時におけるループ利尿薬使用のコツ
2 腹水を伴う肝硬変における利尿薬使用のコツ
3 慢性腎臓病・ネフローゼ症候群の利尿薬使用のコツ
4 降圧薬としての利尿薬
5 急性腎障害と利尿薬
6 心腎症候群と利尿薬
3章 適切な利尿薬の使い方を目指して
1 利尿薬ブレーキ現象
2 利尿薬抵抗性の意義とその対応
3 利尿薬の併用
4 利尿薬と腎機能
5 利尿薬による電解質異常
6 急性うっ血性心不全の治療において尿中Na濃度を測定する意義
7 fantastic four時代におけるうっ血性心不全急性増悪時のNa利尿薬の使用の考え方の変化
8 fantastic four時代における利尿薬の使い方の注意点
症 例
1 急性うっ血性心不全 入院例 ─ 早期利尿薬増強法の紹介
2 慢性うっ血性心不全 ─ 利尿薬投与の意義
3 腹水を伴う肝硬変
4 慢性腎臓病 ─ 2型糖尿病に伴う慢性腎臓病
5 急激発症のネフローゼ症候群
6 利尿薬による電解質異常
7 下肢浮腫の症例 ─ 薬剤性浮腫に注意を
8 緩和ケアの症例 その1
9 緩和ケアの症例 その2
まとめ ─ 外来で加療したうっ血性心不全の2例
索引
1章 利尿薬の基本
1 利尿薬の概説
2 利尿薬投与に必要な腎生理
3 浮腫・うっ血の病態の相違と利尿薬
4 利尿薬が効果を発現するために必要なこと ─ 尿細管からの視点
5 近位尿細管に作用する炭酸脱水酵素阻害薬
6 利尿薬としてのSGLT2阻害薬
7 ループ利尿薬とサイアザイド系利尿薬
8 利尿薬としてのミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)
9 AVP V2受容体拮抗薬
10 ループ利尿薬の違い
2章 利尿薬が有効な病態
1 うっ血性心不全急性増悪時におけるループ利尿薬使用のコツ
2 腹水を伴う肝硬変における利尿薬使用のコツ
3 慢性腎臓病・ネフローゼ症候群の利尿薬使用のコツ
4 降圧薬としての利尿薬
5 急性腎障害と利尿薬
6 心腎症候群と利尿薬
3章 適切な利尿薬の使い方を目指して
1 利尿薬ブレーキ現象
2 利尿薬抵抗性の意義とその対応
3 利尿薬の併用
4 利尿薬と腎機能
5 利尿薬による電解質異常
6 急性うっ血性心不全の治療において尿中Na濃度を測定する意義
7 fantastic four時代におけるうっ血性心不全急性増悪時のNa利尿薬の使用の考え方の変化
8 fantastic four時代における利尿薬の使い方の注意点
症 例
1 急性うっ血性心不全 入院例 ─ 早期利尿薬増強法の紹介
2 慢性うっ血性心不全 ─ 利尿薬投与の意義
3 腹水を伴う肝硬変
4 慢性腎臓病 ─ 2型糖尿病に伴う慢性腎臓病
5 急激発症のネフローゼ症候群
6 利尿薬による電解質異常
7 下肢浮腫の症例 ─ 薬剤性浮腫に注意を
8 緩和ケアの症例 その1
9 緩和ケアの症例 その2
まとめ ─ 外来で加療したうっ血性心不全の2例
索引
序文
はじめに
Na利尿薬の使用は,パラダイム・シフトをむかえつつある
読者の皆さんは,「おっさん,また利尿薬の本を書いてるやん」という感想をもたれたかもしれません。確かに私は,2022年に,利尿薬の使い方に関する書籍を単著で執筆しています。その頃の私にとって,Na利尿薬は,「ループ利尿薬,サイアザイド系利尿薬,スピロノラクトン」でしたが,2024年以降は,うっ血性心不全の治療では,「ループ利尿薬,サイアザイド系利尿薬,スピロノラクトン,MRA,SGLT2阻害薬,ARNI」となっています。よって,本書の執筆の依頼を受けた時は,最初はお断りをしたのですが,Na利尿薬使用のパラダイム・シフトを日々の臨床で感じつつあったので,執筆を開始することにしました。このNa利尿薬のパラダイム・シフトは,慢性腎臓病(SGLT2阻害薬・MRA)や肝硬変(SGLT2阻害薬,肝腎症候群への対応の変化)本書では詳細を述べていませんが,Velezの論文†でも起こっています。
† Velez JCQ:Treating Hepatorenal Syndrome in the Current Era. J Am Soc Nephrol. 2025.
Na利尿薬の使用のパラダイム・シフトは,2024年から2025年にかけて,医学雑誌の利尿薬の特集号,腎臓専門医の叡智を集約した利尿薬の解説本の出版に現れていると思います。私は,ヘーゲルの言葉,「ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏と共に漸く飛び始める」という言葉が大好きです。黄昏は,「超高齢社会におけるうっ血性心不全・慢性腎臓病パンデミック」を指すと思います。ミネルヴァの梟は,このパンデミックに対応すべく患者中心の医療を目指す臨床医の知恵だと思っています。本書が,読者の皆様にとってミネルヴァの梟の一羽になることを目指して執筆しました。
最後に,今回も推薦の言葉を賜った滋賀医科大学医学部循環器内科中川義久教授には心から御礼を申し上げます。そして,本書の執筆の機会を与えていただきました磯辺栄吉郎氏をはじめとする日本医事新報社の皆様,そして執筆の過程において忌憚ないコメントをいただいた滋賀医科大学医学部腎臓内科山田安希氏にも深謝いたします。
2025年12月 滋賀医科大学医学部総合内科学講座
杉本俊郎
Na利尿薬の使用は,パラダイム・シフトをむかえつつある
読者の皆さんは,「おっさん,また利尿薬の本を書いてるやん」という感想をもたれたかもしれません。確かに私は,2022年に,利尿薬の使い方に関する書籍を単著で執筆しています。その頃の私にとって,Na利尿薬は,「ループ利尿薬,サイアザイド系利尿薬,スピロノラクトン」でしたが,2024年以降は,うっ血性心不全の治療では,「ループ利尿薬,サイアザイド系利尿薬,スピロノラクトン,MRA,SGLT2阻害薬,ARNI」となっています。よって,本書の執筆の依頼を受けた時は,最初はお断りをしたのですが,Na利尿薬使用のパラダイム・シフトを日々の臨床で感じつつあったので,執筆を開始することにしました。このNa利尿薬のパラダイム・シフトは,慢性腎臓病(SGLT2阻害薬・MRA)や肝硬変(SGLT2阻害薬,肝腎症候群への対応の変化)本書では詳細を述べていませんが,Velezの論文†でも起こっています。
† Velez JCQ:Treating Hepatorenal Syndrome in the Current Era. J Am Soc Nephrol. 2025.
Na利尿薬の使用のパラダイム・シフトは,2024年から2025年にかけて,医学雑誌の利尿薬の特集号,腎臓専門医の叡智を集約した利尿薬の解説本の出版に現れていると思います。私は,ヘーゲルの言葉,「ミネルヴァの梟は迫り来る黄昏と共に漸く飛び始める」という言葉が大好きです。黄昏は,「超高齢社会におけるうっ血性心不全・慢性腎臓病パンデミック」を指すと思います。ミネルヴァの梟は,このパンデミックに対応すべく患者中心の医療を目指す臨床医の知恵だと思っています。本書が,読者の皆様にとってミネルヴァの梟の一羽になることを目指して執筆しました。
最後に,今回も推薦の言葉を賜った滋賀医科大学医学部循環器内科中川義久教授には心から御礼を申し上げます。そして,本書の執筆の機会を与えていただきました磯辺栄吉郎氏をはじめとする日本医事新報社の皆様,そして執筆の過程において忌憚ないコメントをいただいた滋賀医科大学医学部腎臓内科山田安希氏にも深謝いたします。
2025年12月 滋賀医科大学医学部総合内科学講座
杉本俊郎