jmedmook101
jmedmook101 疑問に答える肥満症診療
患者にこう聞かれたら
患者と医療者のギモンにこの1冊!
目次
1 肥満の疫学
Q1 肥満症の日本,および世界の現状について教えて下さい。
2 肥満の病態生理
Q2 肥満症の生じるメカニズムを教えて下さい。
3 肥満と生体リズム
Q3 夜遅くに食べると太るというのは本当ですか?生体リズムと肥満の関係を教えて下さい。
4 肥満の鑑別診断
Q4 他の病気のせいで肥満となることはありますか?
5 肥満の併発症
(1)高血圧
Q5 痩せると血圧は下がりますか? 肥満と高血圧の関係を教えて下さい。
(2)糖尿病
Q6 太ると糖尿病になりやすいのはなぜですか? 肥満と糖尿病の関係を教えて下さい。
(3)脂質異常症
Q7 痩せるとコレステロールは下がりますか? 肥満と脂質異常症の関係を教えて下さい。
(4)肥満関連腎臓病
Q8 太ると腎臓に負担がかかりますか?
(5)代謝異常関連脂肪肝
Q9 検診で脂肪肝を指摘されました。治療の必要はありますか?
(6)睡眠時無呼吸症候群
Q10 睡眠中いびきがひどいといわれます。治療の必要はありますか?
(7)運動器疾患
Q11膝が痛くてクリニックに行ったら痩せるように言われました。肥満と運動器疾患の関係を教えて下さい。
(8)痛風・高尿酸血症
Q12 痛風になり足が痛いです。肥満との関係を教えて下さい。
(9)心血管疾患
Q13 太ると心臓が悪くなるのですか?
(10)脳血管疾患
Q14 脳卒中や認知症と肥満は関係しますか?
(11)悪性腫瘍
Q15 肥満と関連するがんはありますか?
(12)感染症
Q16 肥満とインフルエンザ,新型コロナは関係ありますか?
(13)精神疾患
Q17 肥満とメンタルの関連を教えて下さい。
6 食事療法
医師の視点
Q18 痩せるために食事に気をつけなさいと言われました。どのようなことに気をつければよいですか?
栄養士の視点
Q19 具体的なメニューなどを教えて下さい。
7 運動療法
医師の視点
Q20 痩せるために運動しなさいと言われました。どのようなことに気をつければよいですか?
理学療法士の視点
Q21 具体的な運動例を教えて下さい。
8 認知行動療法
Q22 食事や体重のレコーディングや行動療法について教えて下さい。
Q23 マインドフル・イーティングとはどのようなことですか?
9 肥満者の看護
Q24 肥満症の看護においてどのようなことが重要か教えて下さい。
10 薬物療法
Q25 肥満に効果のある薬剤の話をニュースで見ました。詳しく教えて下さい。
11 肥満外科手術
Q26 肥満に対して胃を切る手術が効果的と聞きました。詳しく教えて下さい。
Q27 安全に肥満外科手術を受ける上で重要なチーム医療について教えて下さい。
Q1 肥満症の日本,および世界の現状について教えて下さい。
2 肥満の病態生理
Q2 肥満症の生じるメカニズムを教えて下さい。
3 肥満と生体リズム
Q3 夜遅くに食べると太るというのは本当ですか?生体リズムと肥満の関係を教えて下さい。
4 肥満の鑑別診断
Q4 他の病気のせいで肥満となることはありますか?
5 肥満の併発症
(1)高血圧
Q5 痩せると血圧は下がりますか? 肥満と高血圧の関係を教えて下さい。
(2)糖尿病
Q6 太ると糖尿病になりやすいのはなぜですか? 肥満と糖尿病の関係を教えて下さい。
(3)脂質異常症
Q7 痩せるとコレステロールは下がりますか? 肥満と脂質異常症の関係を教えて下さい。
(4)肥満関連腎臓病
Q8 太ると腎臓に負担がかかりますか?
(5)代謝異常関連脂肪肝
Q9 検診で脂肪肝を指摘されました。治療の必要はありますか?
(6)睡眠時無呼吸症候群
Q10 睡眠中いびきがひどいといわれます。治療の必要はありますか?
(7)運動器疾患
Q11膝が痛くてクリニックに行ったら痩せるように言われました。肥満と運動器疾患の関係を教えて下さい。
(8)痛風・高尿酸血症
Q12 痛風になり足が痛いです。肥満との関係を教えて下さい。
(9)心血管疾患
Q13 太ると心臓が悪くなるのですか?
(10)脳血管疾患
Q14 脳卒中や認知症と肥満は関係しますか?
(11)悪性腫瘍
Q15 肥満と関連するがんはありますか?
(12)感染症
Q16 肥満とインフルエンザ,新型コロナは関係ありますか?
(13)精神疾患
Q17 肥満とメンタルの関連を教えて下さい。
6 食事療法
医師の視点
Q18 痩せるために食事に気をつけなさいと言われました。どのようなことに気をつければよいですか?
栄養士の視点
Q19 具体的なメニューなどを教えて下さい。
7 運動療法
医師の視点
Q20 痩せるために運動しなさいと言われました。どのようなことに気をつければよいですか?
理学療法士の視点
Q21 具体的な運動例を教えて下さい。
8 認知行動療法
Q22 食事や体重のレコーディングや行動療法について教えて下さい。
Q23 マインドフル・イーティングとはどのようなことですか?
9 肥満者の看護
Q24 肥満症の看護においてどのようなことが重要か教えて下さい。
10 薬物療法
Q25 肥満に効果のある薬剤の話をニュースで見ました。詳しく教えて下さい。
11 肥満外科手術
Q26 肥満に対して胃を切る手術が効果的と聞きました。詳しく教えて下さい。
Q27 安全に肥満外科手術を受ける上で重要なチーム医療について教えて下さい。
序文
巻頭言
現代社会において,肥満症は単なる美容上の問題にとどまらず,糖尿病,高血圧,脂質異常症,心血管疾患,一部のがんなど,多岐にわたる健康障害の根源として認識されています。一方で,日常診療の現場では「どの治療法を選択すべきか」「合併症のリスク評価はどのように行うべきか」など,数多くの疑問が医療者や患者双方から寄せられています。
最近では,グルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1;GLP-1)受容体作動薬をはじめとする肥満症の薬物治療への関心が高まりつつあります。これに伴い,非薬物療法―すなわち運動療法や栄養指導,生活習慣改善など―の重要性も再認識され,個別化医療の進展とともに,より多面的な介入が求められています。肥満症の治療においては,医療技術の進歩のみならず,患者それぞれの背景や価値観を尊重し,社会復帰やQOL向上をめざした包括的なアプローチが不可欠です。
加えて,肥満症に対する偏見やスティグマが未だに社会の至るところに存在し,患者の精神的・社会的負担を増大させている現状にも目を向ける必要があります。肥満症は間違った生活習慣の結果であり自己責任,とみなされがちですが,実際には遺伝や環境,社会的要因が複雑に絡み合った疾患であることを広く啓発し,理解を深めることが医療者の役割です。
医師だけでなく,看護師,管理栄養士,理学療法士,薬剤師など多職種が知識と経験を持ち寄り,ワンチームとして患者一人ひとりに最適な治療・支援を提供することが,より質の高い肥満症診療につながります。
本書が,現場で日々奮闘されている医療従事者の皆様にとって,肥満症診療の疑問や悩みを解消し,最新の知見と実践的なアプローチを共有する一助となることを願ってやみません。読者の皆様が,日常診療に自信と確信をもって臨まれることを心より期待しております。
2025 年11 月
慶應義塾大学医学部内科学教室腎臓内分泌代謝内科専任講師
慶應義塾大学病院糖尿病先制医療センターセンター長
目黒 周
現代社会において,肥満症は単なる美容上の問題にとどまらず,糖尿病,高血圧,脂質異常症,心血管疾患,一部のがんなど,多岐にわたる健康障害の根源として認識されています。一方で,日常診療の現場では「どの治療法を選択すべきか」「合併症のリスク評価はどのように行うべきか」など,数多くの疑問が医療者や患者双方から寄せられています。
最近では,グルカゴン様ペプチド-1(glucagon-like peptide-1;GLP-1)受容体作動薬をはじめとする肥満症の薬物治療への関心が高まりつつあります。これに伴い,非薬物療法―すなわち運動療法や栄養指導,生活習慣改善など―の重要性も再認識され,個別化医療の進展とともに,より多面的な介入が求められています。肥満症の治療においては,医療技術の進歩のみならず,患者それぞれの背景や価値観を尊重し,社会復帰やQOL向上をめざした包括的なアプローチが不可欠です。
加えて,肥満症に対する偏見やスティグマが未だに社会の至るところに存在し,患者の精神的・社会的負担を増大させている現状にも目を向ける必要があります。肥満症は間違った生活習慣の結果であり自己責任,とみなされがちですが,実際には遺伝や環境,社会的要因が複雑に絡み合った疾患であることを広く啓発し,理解を深めることが医療者の役割です。
医師だけでなく,看護師,管理栄養士,理学療法士,薬剤師など多職種が知識と経験を持ち寄り,ワンチームとして患者一人ひとりに最適な治療・支援を提供することが,より質の高い肥満症診療につながります。
本書が,現場で日々奮闘されている医療従事者の皆様にとって,肥満症診療の疑問や悩みを解消し,最新の知見と実践的なアプローチを共有する一助となることを願ってやみません。読者の皆様が,日常診療に自信と確信をもって臨まれることを心より期待しております。
2025 年11 月
慶應義塾大学医学部内科学教室腎臓内分泌代謝内科専任講師
慶應義塾大学病院糖尿病先制医療センターセンター長
目黒 周