生成AI時代の医学・科学英語論文作成術
盗用リスクを回避しつつアクセプトを狙う“これだけ英文法”
これで生成AIの著作権問題は解決!
目次
●第1章 AIが生成した英文はどう活かすべきか?
AIが生成する英文の特徴
翻訳・校正ツールとしてのAI活用法
●第2章 医学・科学論文アクセプトに必要な英文レトリックH2Bをマスターせよ!
医学論文の通説,皆さんはどう思いますか?
オープニングで読み手の関心を引くフックを
医学論文に必須な緩衝表現とは?
動詞によるヘッジング
法助動詞によるヘッジング
副詞によるヘッジング
フレーズ(句)を使ったヘッジング
効果的なブースターをマスターしよう
ブースター使用における注意点
●第3章 「冠詞はわからない」なんてことはない!
Sophisticated Writing(洗練されたライティング)に必須な3要素を理解する
定冠詞の決め手はコンテクスト
不定冠詞攻略には名詞の可算性を理解せよ
●第4章 ディスコースマーカーを使いこなす
マーカーとは?
原因・理由を示すマーカー
逆接・反意を示すマーカー
結果・因果を示すマーカー
●第5章 時制は矛となり盾となる
医学・科学論文の時制について理解する
時制を使いわける
●第6章 AIについて再考する
最終ステップでのAI活用法
AIによるテキスト生成の展望
●コラム
今後AIがどれだけ進化しても陳腐化することのない医学英文法の知識
人間 vs. AI vs. 人間+AI:最強なのは?
過ぎたるは猶及ばざるが如し(Over-hedgeに注意!)
真に有効な強調表現はワードのみにあらず
冠詞についてはどの程度の理解が必要か?
「aとtheの違いを一言で説明して」と言われたら……
論文は最初から英語で書けと言われる理由
AI時代の翻訳者・校正者の選び方
久しぶりに「日本の未来はきっと明るい」と思った件
AIが生成する英文の特徴
翻訳・校正ツールとしてのAI活用法
●第2章 医学・科学論文アクセプトに必要な英文レトリックH2Bをマスターせよ!
医学論文の通説,皆さんはどう思いますか?
オープニングで読み手の関心を引くフックを
医学論文に必須な緩衝表現とは?
動詞によるヘッジング
法助動詞によるヘッジング
副詞によるヘッジング
フレーズ(句)を使ったヘッジング
効果的なブースターをマスターしよう
ブースター使用における注意点
●第3章 「冠詞はわからない」なんてことはない!
Sophisticated Writing(洗練されたライティング)に必須な3要素を理解する
定冠詞の決め手はコンテクスト
不定冠詞攻略には名詞の可算性を理解せよ
●第4章 ディスコースマーカーを使いこなす
マーカーとは?
原因・理由を示すマーカー
逆接・反意を示すマーカー
結果・因果を示すマーカー
●第5章 時制は矛となり盾となる
医学・科学論文の時制について理解する
時制を使いわける
●第6章 AIについて再考する
最終ステップでのAI活用法
AIによるテキスト生成の展望
●コラム
今後AIがどれだけ進化しても陳腐化することのない医学英文法の知識
人間 vs. AI vs. 人間+AI:最強なのは?
過ぎたるは猶及ばざるが如し(Over-hedgeに注意!)
真に有効な強調表現はワードのみにあらず
冠詞についてはどの程度の理解が必要か?
「aとtheの違いを一言で説明して」と言われたら……
論文は最初から英語で書けと言われる理由
AI時代の翻訳者・校正者の選び方
久しぶりに「日本の未来はきっと明るい」と思った件
序文
序文(抜粋)
本書では,以上2つのリスクを回避すべく,ChatGPTやその他AIが生成した英文を,自分のオリジナルな英文に変換する際に必要となる医学論文特有の文法知識,そしてアクセプト率を高めるためのテクニカルライティングについて整理しました。テクニカルライティングとは,簡単に言うと,「読者が知りたい情報,あるいは読者に理解してほしい情報をわかりやすく正確に伝えるための記述技法」のことです。本書ではThe New England Journal of Medicine(NEJM)やその他のトップジャーナルに掲載された論文を例に挙げて,皆さんの論文がエディター,レビュワー,読者に誤解なく伝わり,ターゲットジャーナルにアクセプトされる確率を上げるための文法ノウハウ,表現法に焦点を当てています。
第1章では,AIが生成する英文の特徴をふまえた上で,私たち日本人医師が論文を投稿する際,何を生かして何を修正すべきか,皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
第2章では,著者の意図や想いを正確に表現するために,医学論文を書く際に最低限必要なレトリック「H2B」を紹介します。
第3章では,冠詞について取り上げます。医師に限らず,日本人研究者には冠詞に無頓着な人が非常に多いのが現状です。「どうせ冠詞は理解できない。校正に出して最終的にネイティブチェックを受ければよい」と考える人がたくさんいます。しかし,この考え方は非常に危険です。文法的に冠詞のつけ方が正しくても,著者の本来の意図とはズレてしまうことがあるからです。本書ではAIやネイティブを盲信することがないよう,医師・研究者が論文を作成する際に最低限理解しておくべき冠詞の知識について触れます。
第4章では,論理的なパラグラフ展開を導くためのディスコースマーカーについて説明し,有効な使い方を紹介します。
第5章では,時制について触れます。医学論文には特有の使い方があります。自分では意識していなくても,時制の選択一つでエディターやレビュワーを敵に回してしまうこともあれば,味方につけることもありえます。本書では,不用意な時制選択でリジェクトされることがないよう,いくつかのパターンを紹介します。
第6章では,AIによる論文作成支援におけるプロンプトの工夫について紹介します。さらに,AIの学習過程を考察し,今後いかなる進化を遂げたとしても,最終的な英文は著者がオリジナルに仕上げることの必要性について解説します。
英語の得意・不得意にかかわらず,本書をお読み頂くことで,AIが生成した英文のうち,どの語,句,節,文を変換すべきか,どのように修正すべきかの参考になればと思います。
(中略)
翻訳機能による英文テキスト生成から校正に至るまで,急速に進化し続けるAIだけで,かなりのレベルまで完成度の高い論文が作成される段階まできています。最終的には,「人間らしさ」「著者らしさ」,もっと突き詰めて言うと「読者の皆さん,あなたらしさ」を英文に込めることがポイントだと思います。皆さんはどう思われますか?
それでは,「AIが生成した英文をどのようにオリジナルに変換し,アクセプトをかなえる投稿用論文に仕上げるか」,一緒に考えてみましょう!
本書では,以上2つのリスクを回避すべく,ChatGPTやその他AIが生成した英文を,自分のオリジナルな英文に変換する際に必要となる医学論文特有の文法知識,そしてアクセプト率を高めるためのテクニカルライティングについて整理しました。テクニカルライティングとは,簡単に言うと,「読者が知りたい情報,あるいは読者に理解してほしい情報をわかりやすく正確に伝えるための記述技法」のことです。本書ではThe New England Journal of Medicine(NEJM)やその他のトップジャーナルに掲載された論文を例に挙げて,皆さんの論文がエディター,レビュワー,読者に誤解なく伝わり,ターゲットジャーナルにアクセプトされる確率を上げるための文法ノウハウ,表現法に焦点を当てています。
第1章では,AIが生成する英文の特徴をふまえた上で,私たち日本人医師が論文を投稿する際,何を生かして何を修正すべきか,皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
第2章では,著者の意図や想いを正確に表現するために,医学論文を書く際に最低限必要なレトリック「H2B」を紹介します。
第3章では,冠詞について取り上げます。医師に限らず,日本人研究者には冠詞に無頓着な人が非常に多いのが現状です。「どうせ冠詞は理解できない。校正に出して最終的にネイティブチェックを受ければよい」と考える人がたくさんいます。しかし,この考え方は非常に危険です。文法的に冠詞のつけ方が正しくても,著者の本来の意図とはズレてしまうことがあるからです。本書ではAIやネイティブを盲信することがないよう,医師・研究者が論文を作成する際に最低限理解しておくべき冠詞の知識について触れます。
第4章では,論理的なパラグラフ展開を導くためのディスコースマーカーについて説明し,有効な使い方を紹介します。
第5章では,時制について触れます。医学論文には特有の使い方があります。自分では意識していなくても,時制の選択一つでエディターやレビュワーを敵に回してしまうこともあれば,味方につけることもありえます。本書では,不用意な時制選択でリジェクトされることがないよう,いくつかのパターンを紹介します。
第6章では,AIによる論文作成支援におけるプロンプトの工夫について紹介します。さらに,AIの学習過程を考察し,今後いかなる進化を遂げたとしても,最終的な英文は著者がオリジナルに仕上げることの必要性について解説します。
英語の得意・不得意にかかわらず,本書をお読み頂くことで,AIが生成した英文のうち,どの語,句,節,文を変換すべきか,どのように修正すべきかの参考になればと思います。
(中略)
翻訳機能による英文テキスト生成から校正に至るまで,急速に進化し続けるAIだけで,かなりのレベルまで完成度の高い論文が作成される段階まできています。最終的には,「人間らしさ」「著者らしさ」,もっと突き詰めて言うと「読者の皆さん,あなたらしさ」を英文に込めることがポイントだと思います。皆さんはどう思われますか?
それでは,「AIが生成した英文をどのようにオリジナルに変換し,アクセプトをかなえる投稿用論文に仕上げるか」,一緒に考えてみましょう!