検索

×
絞り込み:
124
カテゴリー
診療科
コーナー
解説文、目次
著者名
シリーズ

膠原病診療でこれからはじめる 唾液腺エコー・MRI,血管エコー

膠原病診療でこれからはじめる 唾液腺エコー・MRI,血管エコー
監修
中村英樹 (日本大学医学部内科学系血液膠原病内科学分野 教授/日本シェーグレン病学会 理事長)
編著
大島美穂 (日本大学医学部内科学系血液膠原病内科学分野 病院准教授)
判型B5判 ページ数252 刷色カラー 版数第1版 発行日2026年10月01日 ISBN978-4-7849-1812-6 付録無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) 診療科
紙の書籍
税込9,350

この商品は予約商品となりますので、ご発送は発売後となります。

お気に入りに登録する

目次

序章 膠原病診療における非侵襲性検査の現在地
1なぜ今,非侵襲性検査なのか?
2疾患別の各検査法の位置づけ

1章 唾液腺
①唾液腺エコーでみるシェーグレン病とIgG4関連疾患
1検査前の準備
2唾液腺エコーにおける超音波診断装置のセッティング
3シェーグレン病・IgG4 関連唾液腺炎の病態と唾液腺の解剖
4耳下腺,顎下腺のスキャニング手順
5正常像の評価 ─ グレースケール,ドプラ
6シェーグレン病の評価・鑑別
7IgG4関連唾液腺炎
8ピットフォールと実臨床での活用法
9シェーグレン病の類円形低エコー域

②唾液腺MRIでみるシェーグレン病
1唾液腺MRIと唾液腺エコー
2撮像準備 ─ シーケンスとその条件
3正常像の評価 ─ T1強調像,脂肪抑制T2強調像,MRシアログラフィ
4シェーグレン病の評価・鑑別
5シェーグレン病の早期診断・予後評価
6シェーグレン病と関連が疑われる病態・徴候
7唾液腺MRI の相違点 ─ IgG4 関連涙腺・唾液腺炎とシェーグレン病
8ピットフォールと実臨床での活用法

③参考:口唇小唾液腺生検でみるシェーグレン病
口唇小唾液腺生検の意義と手順

2章 血管
①血管エコーでみる巨細胞性動脈炎
1巨細胞性動脈炎に対する血管エコーの診断アプローチ
2巨細胞性動脈炎の血管エコー所見
3巨細胞性動脈炎で検査する血管の解剖・表示・選択方法
4巨細胞性動脈炎の血管エコーにおける装置・プローブの選択と基本操作・プリセット設定
5超音波診断装置の設定 ─ Knobology
6浅側頭動脈の検査方法
7腋窩動脈の検査方法
8総頸動脈の検査方法
9椎骨動脈の検査方法
10鎖骨下動脈の検査方法
11顔面動脈の検査方法
12後頭動脈の検査方法
13顎動脈の検査方法

索 引

Column
① 涙腺は多くの超音波診断装置で禁忌!
② SjD の典型的な病理所見
③ GCAファストトラッククリニックとは?
④ グルココルチコイド開始後,GCA 血管エコーの感度は低下するのか?
⑤ GCAを疑う臨床状況とは?
⑥ 血管エコー所見に基づくGCA診断の検査者間一致率
⑦ IMT の測定方法
⑧ IMT のカットオフ値
⑨ OMERACT GCA Ultrasonography Score(OGUS)とは?
⑩ GCA血管エコーのプリセット
⑪ 血管エコーで役立つプローブ操作 ─ピボッティング
⑫ カラードプラのROIとカラーゲインに注意
⑬ 腋窩動脈遠位部のこの分枝は,本当に前上腕回旋動脈か?
⑭ GCA の血管エコーに注目が集まっている理由 その1
⑮ GCA の血管エコーに注目が集まっている理由 その2
⑯ GCA血管エコーにはどの程度のトレーニングが必要だろうか?
⑰ プローブの構成を知っていますか?

序文

〈発刊によせて〉

膠原病の診断や治療におけるモダリティの有用性は関節リウマチにおいて知られており,欠かせないツールとなっているのは周知の事実である。一方,欧米では2025年に疾患名が変わったシェーグレン病(Sjögren’s disease:SjD)および大血管炎のひとつである巨細胞性動脈炎(giant cell arteritis:GCA)でも,画像診断の有用性が議論されるようになってきた。
SjDのわが国の診断基準や欧米の分類基準にも唾液腺エコーやmagnetic resonance imaging(MRI)は含まれてはいないものの,近年臨床的な重要性が認識されてきている。特に口唇生検が実施できない場合は,SjDの診断が正しく得られない場合があり,非侵襲的な画像診断の使用が求められている。口腔検査,眼科検査,自己抗体のいずれかひとつのみが陽性の場合,口唇生検を行わなければ診断に至らないが,合併症リスクがある検査であり,患者さんの同意が得られないことは日常診療でよく遭遇する。そのような折に唾液腺エコーやMRIが使用できれば,侵襲なくSjDの診断が得られる可能性があり,口唇生検をはじめとした未実施項目が多いわが国の診断基準の見直しの際には,これらのモダリティが威力を発揮するであろう。
一方,臨床の場においては,これらのモダリティは具体的な活用方法がまだまだ浸透していない。本書では唾液腺エコーのエキスパートである大島美穂先生と高木幸則先生より,装置の使用法の実際やSjDでの活用方法を,IgG4関連疾患などの鑑別診断も交えて解説頂いた。また高木幸則先生からは,唾液腺MRIを用いたSjDでの評価法や鑑別診断を解説頂き,いずれのモダリティにおいても問題となるピットフォールについて解説頂いた。また補足として,寶來吉朗先生からは合併症のより少ない口唇生検の手順と病理所見について解説して頂いた。また,超音波の有用性はGCAなどの大血管炎においても欧米を中心に提唱されており,欧州リウマチ学会の大型血管炎の画像診断に関する推奨においても超音波が取り入れられている。この点については,三好雄二先生より血管エコーを用いた装置設定から診断のアプローチの実際およびピットフォールについて解説頂いた。
SjDでは診断基準改定が進行中であり,分子標的薬を用いたパラダイムシフトが近づいている。またGCAにおいては既に分子標的薬が実臨床で使用されるようになっている。このような時代において超音波やMRIは新たな診断や治療開始後の強力なツールになると確信している。本書は画像診断の初心者やエキスパートにとっても手元に置ける手引きとなることを願っている。

日本大学医学部内科学系血液膠原病内科学分野 教授/日本シェーグレン病学会 理事長
中村英樹


---------------------------
〈序文〉

シェーグレン病・IgG4関連疾患と大血管炎(特に巨細胞性動脈炎)の画像診断に,パラダイムシフトが訪れようとしている。患者負担の大きい検査から,非侵襲的な検査へ。分子標的薬などの治療の登場と相まって,今後は守りの医療から攻めの医療に変わっていくのである。いずれの疾患においても「患者負担が少なく」「簡便」「迅速」に施行でき,早期診断・早期治療に結びつき,治療後などの経過観察が「繰り返し可能」な画像診断の重要性が脚光を浴びるようになってきた。
このような流れの中で,臨床現場の最前線にいる医師・技師・看護師,患者会,製薬会社などの多方面の方々から,これらの画像診断の手本となるようなものを作成し全国に広めてほしい,という切実な要望を日増しに頂くようになり,共著者と筆を執ることにした。
本書では,今後上記疾患の画像検査で主流になっていくであろう「唾液腺エコー」「唾液腺MRI+MRシアログラフィ」「血管エコー」を,初学者からベテランまで幅広い層を対象とし,解剖図などイラストを多用して各エキスパートがわかりやすく解説した。本書はこれだけですぐに現場で対応ができるように,わが国で初めて,本格的に充実した内容でまとめ上げた一冊である。全国に本書の内容の普及を図ることを目的としている。エコーでは基礎知識から始まり,設定,撮像方法,画像の解釈(1章1,2章)まで幅広く記載した。動画を唾液腺・血管で合計55本と多数掲載しており,リアリティのある動画を見てすぐに実践して頂くことが可能である。MRI(1章2)では装置の設定の詳細を記載している。本書を参考にしながら,放射線技師,装置メーカー担当者と設定調整をお願いしたい。さらに,シェーグレン病診断において病態把握や鑑別で重要な位置づけとなる小唾液腺生検では,いかに侵襲性を低減させるかという観点から,神経合併症のきわめて少ない方法を紹介しており(1章3),参考にして頂きたい。
本書により膠原病領域の唾液腺疾患,大血管炎の診断技術が向上し,ひいてはわが国のこれらの患者の生活の質が向上する一助となることを心から願ってやまない。

日本大学医学部内科学系血液膠原病内科学分野 病院准教授
大島美穂