症状から選ぶCT・MRI
オーダーで迷わない、外さない、臨床判断と治療のために
目次
1 CT,MRIの基本
2 突然の胸痛
3 慢性の胸痛,胸背部痛
4 呼吸困難,発熱,咳嗽
5 喀血
6 吐血
7 下血
8 黄疸
9 腹痛(消化管,腸間膜)
10 急性腹症(婦人科領域)
11 腹痛,背部痛(大動脈,内臓動静脈)
12 肉眼的血尿
13 皮下腫瘤,軟部腫瘤
14 特発性血腫,術後出血(院内発生)
2 突然の胸痛
3 慢性の胸痛,胸背部痛
4 呼吸困難,発熱,咳嗽
5 喀血
6 吐血
7 下血
8 黄疸
9 腹痛(消化管,腸間膜)
10 急性腹症(婦人科領域)
11 腹痛,背部痛(大動脈,内臓動静脈)
12 肉眼的血尿
13 皮下腫瘤,軟部腫瘤
14 特発性血腫,術後出血(院内発生)
序文
以前,研修医向けの教科書を執筆した際,多くの反響を頂いた。中でも印象的だったのは,地域によって放射線診断医が不足し,若い医師が不安を抱えながら自らCTを読影し,診療を担っているという声である。遠隔地の現場を画像で支え,診療の質を底上げすることは,現在の医療における重要な使命のひとつだと考える。本書は,その思いを原動力としてまとめた。
また,本書では,画像診断の基盤となる思考過程について,私が以前にまとめた入門書『CT読影レポート、この画像どう書く?』(羊土社,2019)の内容を前提に議論している箇所がある。重複を避けるため詳細な説明はそちらに譲ったが,併読頂くことで,本書の内容をより体系的にとらえやすくなるはずである。
その一方で,放射線診断医の役割は,単に画像を読むことにとどまらず,診断を通して臨床現場を支える方向へと広がりつつある。放射線科の学会では,まれな症例画像を提示し診断名を当てる「フィルムリーディングセッション」が恒例行事である。若手が知識を競い診断精度を磨く意義は大きいが,診断の先にある「治療方針」がほとんど議論されないという違和感を抱いてきた。日常の画像診断レポートにも,治療方針に結びつかない鑑別疾患が数多く挙げられている例が少なくない。実際のカンファレンスで問われるのは,画像上の鑑別ではなく,「画像からどこまでわかるか」「次にどの検査を行うか」「治療をどう進めるか」である。放射線診断医は画像の専門家であると同時に,治療方針を決定するチームの一員として,症状—検査選択—画像所見—治療方針を一貫して理解しておくことが求められる。
こうした思いから,本書は,研修医,放射線科以外の専攻医,そして放射線診断医が共通言語で議論できることをめざした。内容は最新の知見に基づき正確を期したが,医学は日々進歩する。記載の修正が必要な場合は,出版社までお知らせ頂ければ幸いである。
本書の作成にあたり,各分野の専門家である奥田茂男先生(東京医療センター・放射線診断科),小山田吉孝先生(東京医療センター・呼吸器内科),児島完治先生(キナシ大林病院・放射線科),杉浦弘明先生(防衛医科大学校・放射線医学講座),田村謙太郎先生(藤田医科大学・放射線科),吉泉絵理先生(東北大学・産婦人科),吉田新一郎先生(東北大学・整形外科),および東北大学病院放射線診断科の専攻医の皆様に多大なご助言を頂いた。また,企画段階から長期にわたりご尽力いただいた日本医事新報社の村上由佳様やイラストレーターの吉田裕美様に,心より感謝申し上げる。最後に,長きにわたり支
えてくれた家族へ心からの謝意を捧げたい。
本書が,放射線診断に様々な形で携わるすべての方にとって,日々の診療の一助となれば望外の喜びである。
また,本書では,画像診断の基盤となる思考過程について,私が以前にまとめた入門書『CT読影レポート、この画像どう書く?』(羊土社,2019)の内容を前提に議論している箇所がある。重複を避けるため詳細な説明はそちらに譲ったが,併読頂くことで,本書の内容をより体系的にとらえやすくなるはずである。
その一方で,放射線診断医の役割は,単に画像を読むことにとどまらず,診断を通して臨床現場を支える方向へと広がりつつある。放射線科の学会では,まれな症例画像を提示し診断名を当てる「フィルムリーディングセッション」が恒例行事である。若手が知識を競い診断精度を磨く意義は大きいが,診断の先にある「治療方針」がほとんど議論されないという違和感を抱いてきた。日常の画像診断レポートにも,治療方針に結びつかない鑑別疾患が数多く挙げられている例が少なくない。実際のカンファレンスで問われるのは,画像上の鑑別ではなく,「画像からどこまでわかるか」「次にどの検査を行うか」「治療をどう進めるか」である。放射線診断医は画像の専門家であると同時に,治療方針を決定するチームの一員として,症状—検査選択—画像所見—治療方針を一貫して理解しておくことが求められる。
こうした思いから,本書は,研修医,放射線科以外の専攻医,そして放射線診断医が共通言語で議論できることをめざした。内容は最新の知見に基づき正確を期したが,医学は日々進歩する。記載の修正が必要な場合は,出版社までお知らせ頂ければ幸いである。
本書の作成にあたり,各分野の専門家である奥田茂男先生(東京医療センター・放射線診断科),小山田吉孝先生(東京医療センター・呼吸器内科),児島完治先生(キナシ大林病院・放射線科),杉浦弘明先生(防衛医科大学校・放射線医学講座),田村謙太郎先生(藤田医科大学・放射線科),吉泉絵理先生(東北大学・産婦人科),吉田新一郎先生(東北大学・整形外科),および東北大学病院放射線診断科の専攻医の皆様に多大なご助言を頂いた。また,企画段階から長期にわたりご尽力いただいた日本医事新報社の村上由佳様やイラストレーターの吉田裕美様に,心より感謝申し上げる。最後に,長きにわたり支
えてくれた家族へ心からの謝意を捧げたい。
本書が,放射線診断に様々な形で携わるすべての方にとって,日々の診療の一助となれば望外の喜びである。