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新・下肢静脈瘤硬化療法

日本静脈学会による硬化療法の教科書!

新・下肢静脈瘤硬化療法

◆下肢静脈瘤は審美的な部分や、疼痛、だるさなど患者のQOLを大きく下げてしまいます。そんな静脈瘤にはさまざまな治療法があるため、「硬化療法をやったことがない」という医師も多いのではないでしょうか?
◆そんななか、近年はポリドカノールやオルダミンといった「硬化療法に使える薬剤」が注目されています。
◆本書は、日本静脈学会監修のもと、いまあらためて硬化療法を学ぶための書籍です。基本から応用・実践までをばっちりと網羅している、まさに「硬化療法の教科書」!日々の治療の助けになる1冊です。

◆下肢静脈瘤は審美的な部分や、疼痛、だるさなど患者のQOLを大きく下げてしまいます。そんな静脈瘤にはさまざまな治療法があるため、「硬化療法をやったことがない」という医師も多いのではないでしょうか?
◆そんななか、近年はポリドカノールやオルダミンといった「硬化療法に使える薬剤」が注目されています。
◆本書は、日本静脈学会監修のもと、いまあらためて硬化療法を学ぶための書籍です。基本から応用・実践までをばっちりと網羅している、まさに「硬化療法の教科書」!日々の治療の助けになる1冊です。

監修 判型B5判 ページ数312 刷色カラー 版数第1版 発行日2026年07月14日 ISBN978-4-7849-0550-8 付録無料の電子版が付属(巻末のシリアルコードを登録すると、本書の全ページを閲覧できます) 診療科
紙の書籍
税込13,200

この商品は予約商品となりますので、ご発送は発売後となります。

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目次

第1章 下肢静脈瘤とは
1 病態生理
2 疫学と危険因子
3 分類
4 症状と皮膚病変
5 診断
6 治療法
第2章 硬化療法の歴史
第3章 硬化剤の種類と特徴
第4章 硬化療法の適応と禁忌
第5章 硬化療法の治療の組み立て方
第6章 フォーム硬化療法の基礎
1 フォーム硬化療法のメカニズム
2 硬化剤の性状, 濃度と混合比率, 使用量, CO2の使用
第7章 フォーム硬化療法の手技
1 手技の流れ
2 私はこうしている
 ①血管外科病院
 ②皮膚科
 ③下肢静脈瘤クリニック
第8章 硬化療法の有害事象とその対策
第9章 硬化療法の治療成績
第10章 硬化療法のガイドライン
第11章 硬化療法の実際
1 伏在型静脈瘤
 ①本幹硬化療法を除く
 ②超音波ガイド下硬化療法
2 側枝型静脈瘤
3 クモの巣状静脈瘤・網目状静脈瘤
 ①液状硬化療法
 ②フォーム硬化療法
4 陰部静脈瘤
 ①大腿部
 ②外陰部(大陰唇)
5 不全穿通枝
 ①フォーム硬化療法の実際
 ②硬化療法の実際
6 高位結紮術併用硬化療法
7 血管内治療術中硬化療法
 ①超音波ガイド下穿刺
 ②透視ガイド下フォーム硬化療法
8 高位結紮術後再発
9 小伏在静脈瘤術後再発(SPJ側枝不全)
10 伏在静脈術後遺残静脈瘤
11 血管内治療後再疎通
12 うっ滞性皮膚病変合併症例
 ①私はこうしている
 ②私はこうしている─ C6症例における硬化療法
 ③私はこうしている─ 潰瘍床静脈叢に対する硬化療法
13 出血性静脈瘤
14 坐骨神経静脈瘤
第12章 血管奇形に対する硬化療法
1 本邦における静脈奇形(海綿状血管腫)に対する硬化療法の実態に関するサーベイ
2 硬化療法・血管塞栓術
3 ポリドカノール硬化療法
4 モノエタノールアミンオレイン酸塩硬化療法
第13章 その他の硬化療法
1 VARIXIO
2 Varithena
3 Cryo-Laser and Cryo-Sclerotherapy(CLaCS)
4 ClariVeinとFlebogrif
5 可視化硬化療法
巻末資料
1 患者からのFAQ
2 添付文書:ポリドカスクレロール
3 添付文書:オルダミン
4 下肢静脈瘤に対する硬化療法に関するアンケート調査

序文

発刊に寄せて

「どっこい生きてきた硬化療法」の感は否めない。今を去ること35年前,1991年(平成3年)11月8日に産声を上げた「下肢静脈瘤硬化療法研究会」は全国規模で毎年行われた。第1回(松江),第2回(新横浜),第3回(名古屋)と参加者はうなぎのぼりであった。200名を超す会もあった。こんな風に爆発的と言えるようにわが国の硬化療法は始まり,一部のマニアから全国的なニュースとなり,そして手技になったわけである。当時の日本静脈学会の故 阪口周吉理事長が,「この人数が本学会に来てくれたらどんなにうれしいことか!」と挨拶で述べていたことを思い出す。しかし,第16回(旭川,2006年)までの記録は残っているが,2006年にいったん研究会は消滅してしまった。
内容の充実を図るため,1993年には本書の前駆となる『下肢静脈瘤硬化療法』(伊藤勝朗,岩井武尚,折井正博,平井正文,堀 豪一,編著,医歯薬出版)を発行,売れ行き好調につき1996年には第2版を発刊している。それと並行して,1997年には『下肢静脈瘤 硬化療法の実際』(岩井武尚,上山武史,折井正博,佐々木久雄,平井正文,堀 豪一,編著,医学書院)が出版され,巷に参考書が溢れた。さらに,医歯薬出版と研究会発起人らは,次の出版に向けて準備をしていた痕跡が残っている。
その後,有効性の高いフォーム硬化療法が主流となり,その勢いが硬化療法の世界をなんとか引き継いだ。2006年には2nd European Consensus Meeting on Foam Sclerotherapy 2006を翻訳した『フォーム硬化療法の手引』(岩井武尚,平井正文,監修,日本静脈学会)を発刊した。希望者に配ったが,売れ行き(?)は上々であった。
1840年頃から種々の硬化剤が試されては消えていったが,2006年には現在でも主流となるポリドカノールが認可され,2007年7月には日本静脈学会が後押しして第1回フォーム硬化療法コンセンサスミーティングを開いた。フォーム硬化療法コンセンサスミーティングは,第3回まで2年半続いた。その後10年間,硬化療法の話題はお休み状態となった。しかし,2016年にフォーム硬化療法の認可が取れ,さらに2018年6月にフォーム硬化療法の保険適用を受けて日本静脈学会の一部として第4回フォーム硬化療法コンセンサスミーティングを開催した。なんとか硬化療法にまた日が当たったのである。
2011年以降, レーザーやラジオ波による血管内焼灼術が主流になってからも,硬化療法はそれらの補助として,また網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤の主流として,静脈瘤専門医の隠し技として受け継がれていた。しかし,わが国での硬化療法の開始から30年以上が流れ,新時代の今では,硬化療法になじめない人も多くなってきており,今や,静脈瘤専門を名乗る医師にとって硬化療法は絶対必修の隠れ技となってきている。
そんなとき,『新・下肢静脈瘤硬化療法』の上梓にあたり序文を頼まれた。わが国の硬化療法の初めから関わってきた者として感慨深いものがある。深く関わった5人の同志のうち伊藤勝朗,平井正文,堀 豪一は既に他界した。折井正博は硬化療法研究会事務局を引き継ぎ,長く経った。その事務局基金は多額であったので,静脈学会に寄付し,YIA賞,静脈研究のNPO・研究所などの助成金としたいということでも合意した。
下肢静脈瘤硬化療法の歴史は古く, ギリシャ時代にさかのぼると言う。「varicose」という言葉はギリシャ語の“ぶどうのような”からきており,ヒポクラテスが紀元前460年に命名したと言われる。それくらい古くからこの言葉があるのは,これが「人からも自分でも目に見える病気」であるからである。
硬化療法をやるにあたっては,「美」のセンスと芸術的戦術が必要である。人類にとっては,下肢そのものが芸術対象であった。「ミロのビーナス」「四天王の脚」など,洋の東西を問わず古くから美しくたくましいのが下肢であり,最近のミニスカート美まで受け継がれている。足は「見える」ものから「見る」ものに変化しつつある。硬化療法では「美しい肢をつくること」を忘れてはならない。
実に詳しい硬化療法の理論,実技を楽しみながらこの本を読み進めて頂きたい。また,迷ったら読み返してもらいたいと思う。

2026年 茨城県守谷にて
岩井武尚(日本静脈学会 名誉会長,つくば血管センター 顧問)



序文

硬化療法は,下肢静脈瘤治療においてなくてはならない治療である。クモの巣状静脈瘤から側枝型,伏在型静脈瘤,さらには外科治療後の再発や不全穿通枝まで,あらゆる静脈瘤が適応となる。
しかし,その歴史は数奇な運命をたどってきた。日本における硬化療法は1980年代初頭に始まったが,1990年代になり,「切らずに治せる治療」としてマスコミに取り上げられ,全国で一大ブームとなった。当初,ストリッピング手術に替わり,日帰りで根治的治療が可能になると期待されたが,当時の液状硬化療法では治療効果は限定的であり,多くの再発が認められ,ブームは次第に下火になった。その後,硬化療法は主に高位結紮術と組み合わせた結紮併用硬化療法として行われていた。2000年代に入りフォーム硬化療法が始まったが,その有効性や合併症の本格的な議論が始まる前に血管内治療全盛の時代となり,結紮併用硬化療法もほとんど行われなくなってしまった。その結果,硬化療法は忘れられた治療となり,若い医師は,血管内治療はできるが硬化療法は見たことがない,周りに教えてくれる人もいないという現状となっている。
こうした背景のもと,日本静脈学会の監修により,フォーム硬化療法時代における硬化療法の基本から応用までを網羅した新たな教科書として本書は企画された。特に,初学者でも硬化療法を始められるように,できるだけ具体的な手技を解説する実践の書をめざした。著者には,日本静脈学会で第一線に立って活躍されている先生方にご執筆をお願いした。各先生方がそれぞれの技術と経験を惜しみなく披露して下さり,心より感謝する。本書をきっかけに硬化療法が復権し,日本でより良い下肢静脈瘤治療が行われることを期待する。

2026年
広川雅之(日本静脈学会 理事,お茶の水血管外科クリニック 院長)