図説 腎臓病学
患者さんから学ぶ腎疾患の臨床が手に取るようにわかります
目次
【総論】
1. 腎疾患の症候と診断の進め方
2. 尿検査
3. 腎機能検査
4. 腎生検
【各論】
<原発性糸球体疾患>
1.腎炎とネフローゼ症候群の概念
2.急性糸球体腎炎
3.微小変化群
4.巣状糸球体硬化症
5.膜性増殖性糸球体腎炎
6.膜性糸球体腎炎(膜性腎症)
7.IgA腎症
8.急性進行性糸球体腎炎
<二次性腎疾患>
1.ループス腎炎
2.ANCA関連腎炎
3.血管炎症候群
4.強皮症腎
5.関節リウマチに伴う腎障害
6.アミロイド腎症
7.肝疾患と腎障害
8.妊娠と腎障害
9.脂質と腎障害
10.痛風腎
11.糖尿病性腎症
<その他の腎障害>
1.嚢胞腎
2.良性腎硬化症
3.間質性腎炎
4.腎盂腎炎
5.薬剤性腎障害
6.電解質異常
7.溶血性尿毒症症候群
8.遺伝性腎炎
<各論-腎不全>
1.腎不全の概念
2.急性腎不全
3.慢性腎不全
<各論-治療法>
1-1 腎疾患の薬物療法 腎疾患一般
1-2 腎疾患の薬物療法 高血圧
1-3 腎疾患の薬物療法 免疫抑制薬
2 腎疾患の食事療法と生活指導
3-1 血液浄化法 血液透析総論
3-2 血液浄化法 血液透析合併症
3-3 血液浄化法 血液透析以外
3-4 血液浄化法 腹膜透析
4 移植後再発腎炎
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序文
『図説 腎臓病学』第2版が上梓されてから13年が経過してしまった。第1版から第2版までが7年もかかったので、当初第3版は第2版発行後5年位を目処に刷新するつもりであったが、めまぐるしい時流の変わり目で何となく機会を逸してしまった。教室の代替わりの時期になり、症例も充実してきたこともあり、今般思い切って改訂に踏み切ることになった。
第1版では図表を多くと企画したが、教室が開講して間もないこともあり、適切な症例を十分にそろえることができなかったようである。律儀な杉野信博名誉教授はよほど気がかりだったようで、平成4年10月に図だけでなく、構成・内容とも一新した第2版が出版された。
それ以降、新しい腎疾患の概念が加わったり、糸球体疾患やループス腎炎の組織分類が改訂され、日本腎臓学会による「腎疾患の生活指導・食事指導のガイドライン」が作成され、降圧薬や副腎皮質ステロイドを中心に薬物治療の見直しが行われるなど、著しい変革が起こった。これらを整理して、本書が読者対象とする医学生、研修医、一般医の方々に、腎臓疾患を正しく容易に理解していただこうというのが今回の改訂の目的である。
完成が近づくにつれて、不十分なところや統一がとれていない部分も気になったが、思い切って世に出すことにした。忙しい中を総力を挙げて執筆していただいた医局員各位に深謝し、本書の完成度を高めるために、読者諸賢のご批判、ご叱正をいただきたい。
なお、東京女子医科大学腎臓病総合医療センターは腎臓内科のみならず、泌尿器科、腎臓外科、腎臓小児科、血液浄化療法科より成り立っており、提示した症例の大部分は当内科のものであるが、各科が患者さんのための医療に協力しあっていることをこの場を借りて心から感謝申し上げたい。
レビュー
長澤俊彦・杏林大学学長
書評
本書は、息の長い腎臓病専門書である。第1版が1985年、つまり昭和60年に出版された時、杉野信博名誉教授から1冊贈呈され、よくまとまった教科書であるとの印象を持ったことを昨日のように思い起こす。第2版を経て、このたび第3版が出版されたが、第3版の大きな特徴は、改訂により組織写真がすべてカラー印刷になり、そのいずれもが腎生検組織所見の読みが苦手な者でもすぐ理解できるような傑作揃いになったことである。 内容は、総論(診断に関すること)、各論(原発性糸球体疾患、二次性腎疾患、その他の腎障害、腎不全)、治療の3項目からなり、最初から通読しても、あるいは辞書的に個々の疾患について学ぶ場合にも役に立つように工夫されている。項目ごとに代表的な文献が掲載されていることも、読者に親切である。 東京女子医大第四内科は杉野、二瓶の両名誉教授が主宰され、今年の4月から新田教授に引き継がれた、わが国の腎臓病の臨床と研究をリードしている教室である。この伝統ある教室に籍を置かれた、あるいは現在在籍している内科的腎臓病の専門医の皆さんが執筆された本書は、この腎臓内科学教室の長年の臨床の集積された材料を思う存分活用してできあがった書物であり、高学年の医学生に対する腎臓病の教科書として、また腎臓病に興味を持つ研修医や一般医家が腎臓病の新しい知識を獲得しようとする場合にも、きわめて手頃な専門書である。 多くの方々が本書を活用し、わが国の腎臓病学の臨床の質がますます向上することを期待したい。
湯村和子・東京女子医大助教授
自著紹介
本書第2版が上梓されてから13年が経過した。第2版発行当初は5年位を目処に刷新するつもりであったが、めまぐるしい時流の変わり目で機会を逸してしまった。 第2版以降、新しい腎疾患の概念が加わったり、ループス腎炎の組織分類も改訂された。日本腎臓学会や厚生労働省の調査研究班による種々の指針やガイドラインが作成され、近年降圧薬や副腎皮質ステロイドを中心に免疫抑制薬等の薬物治療の見直しが行われるなど、著しい変革が起こった。これらを東京女子医科大学腎臓内科の先生方の協力を得てわかりやすく整理したので、本書が読者対象とする医学生、研修医、一般医の方々に、実際臨床現場で役に立つ腎臓疾患の診断・治療を正しく理解していただきたいという今回の改訂の目的は十分に達せられていると思う。 また、本書はフルカラーでありながら求めやすい低価格となっている。是非ご一読の上、本書の完成度を高めるために、読者諸賢のご批判、ご叱正をいただきたい。