レジデントのための腹部エコー教室
研修1年目の先生方のために、腹部エコーのエッセンスを一冊にまとめました
目次
第1章 腹部エコーの進め方
1 超音波検査の基本
前処置と検査の準備
超音波検査の流れ
検査時の体位と呼吸
プローブの操作
画像の向き
プローブの選択
装置の調整
アーチファクト
ドプラ法の使い分け
2 腹部のルーチン走査
基本走査13断面
推奨25断面を網羅したスクリーニング法
3 各臓器の観察ポイント
肝臓
胆道
膵臓
脾臓
腎臓
4 救急・当直でのPOCUS
FAST
eFAST
第2章 重要な超音波所見と診断
1 肝臓
びまん性病変:急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、脂肪肝
血管異常:うっ血肝、Budd-Chiari症候群、門脈圧亢進症、シャント、門脈塞栓
限局性病変:良性腫瘍、悪性腫瘍、肝嚢胞、肝膿瘍、炎症性偽腫瘍、石灰化
2 胆嚢・胆管
胆嚢腫大・壁肥厚:急性胆嚢炎、黄色肉芽腫性胆嚢炎、胆嚢腺筋症
胆嚢腫瘤性病変:ポリープ、胆嚢癌
結石:胆嚢結石、総胆管結石、胆管結石
胆管拡張:胆管炎、胆管閉塞、原発性硬化性胆管炎
胆管腫瘍:胆管癌
気腫:気腫性胆嚢炎、胆道気腫
3 膵臓
腫大・萎縮:急性膵炎、慢性膵炎、石灰化、自己免疫性膵炎
膵管拡張:主膵管拡張
充実性病変:膵癌、神経内分泌腫瘍、充実性偽乳頭状腫瘍
嚢胞性病変:膵管内乳頭粘液性腫瘍、粘液性・漿液性嚢胞腫瘍
4 脾臓
形態異常:脾腫、脾梗塞
充実性病変:血管腫、悪性リンパ腫、転移性腫瘍
嚢胞・石灰化:脾嚢胞、石灰化、Gamna-Gandy結節
血管異常:脾動脈瘤、脾腎シャント
脾門部病変:副脾、リンパ節腫大
5 腎・泌尿器
形態異常:正常変異、腎奇形、腎萎縮・腫大
充実性病変:腎癌、腎盂癌、腎血管筋脂肪腫
嚢胞性病変:単純性腎嚢胞、多発性嚢胞腎
石灰化像:腎結石、腎石灰化症
腎盂拡張:水腎症
血管異常:腎梗塞、腎動脈瘤、腎動脈狭窄
膀胱・前立腺:膀胱腫瘍、膀胱結石、前立腺腫大
6 腹部血管
大動脈瘤
大動脈プラーク
大動脈解離
7 消化管
急性虫垂炎
大腸憩室炎
腸閉塞(イレウス)
虚血性大腸炎
大腸癌
8 婦人科
子宮筋腫
卵巣腫瘍
序文
腹部エコーは、“簡単そうで難しい”検査でもあります。プローブの角度や圧のかけ方によって描出される画像は大きく変化し、解剖学的知識や臨床判断力が求められます。「難しそう」「よくわからない」と感じて敬遠してしまった方も少なくないのではないでしょうか。
本書『レジデントのための腹部エコー教室』は、そうした初学者、特にレジデントの皆さんが、臨床現場で即戦力として超音波を活用できるよう、基礎から応用までを段階的かつ実践的に解説した一冊です。診療科を問わず、あらゆる分野の医師にとって「使える武器」となることを目指して構成しました。(まえがきより)
正誤表
下記の箇所に誤りがございました。謹んでお詫びし訂正いたします。
〈誤〉→〈正〉
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