症例から学ぶ!小児科医のための 子どもの整形外科外傷【電子版付】
目次
- 本書で伝えたいポイント
- イントロダクション
第1章:子どもの外傷における「総論」
- 診断について
- 治療について
- 経過観察について
第2章:子どもの骨折の診かた
- Toddler骨折の症例
- 橈骨遠位端骨折の症例
- 鎖骨骨折の症例
- 腕神経叢損傷が疑われた症例
- 分娩骨折(上腕骨)の症例
- 分娩骨折(大腿骨)の症例
- 上腕骨顆上骨折の症例
- Monteggia骨折の症例
- 疲労骨折(大腿骨)の症例
- 脛骨骨折の症例
- 疲労骨折(腓骨)の症例
- 第1中足骨骨折+立方骨骨折の症例
- 第5基節骨骨折の症例
第3章:肘内障の診かた
- エコーと整復方法の解説
- 肘内障の症例 その1
- 肘内障の症例 その2
第4章:母指(趾)の疾患の診かた
- 爪下血腫の症例
- 巻き爪,爪周囲炎の症例
- やけど,熱傷の症例
- Tuft(房)骨折の症例
第5章:子どもに特有な骨折の診かた
- くる病・腎性ジストロフィーに伴う骨折の症例
- 橈骨遠位端骨折後の骨性架橋の症例
- 左大腿骨近位における「Salter-Harris分類V型」の症例
- 被虐待児症候群の症例 その1
- 被虐待児症候群の症例 その2
- 脳性麻痺に伴う骨折の症例 その1
- 脳性麻痺に伴う骨折の症例 その2
- 脳性麻痺に伴う骨折の症例 その3
- 脳性麻痺に伴う骨折の症例 その4
序文
皆さん、ボンジュ~!
私は、島根県松江市で育ち、縁結びの神様「出雲大社」でお祈りやお願いをたくさんし、「縁」を大切に生きてきました。この度、「縁」がありこの本を出版させていただけることとなりました。今までお会いしてきた皆さん、お世話になったすべての方々、そして、今この本を手に取ってくださっている皆さんに、感謝&感謝、メルシ・ボク、アルザス(&ロレーヌ)!!!です。
Thank you very much for our serendipity and your lovely support!!!
まず、本書のカバーの説明をさせていただきますね。このイラストは、無印良品やオレンジページなどでもご活躍されているイラストレーターの伊藤桃子さんが、この本のために創ってくださったものです。医学書とは思えないlovelyでやさしいタッチの切り絵が展開されています。このイラストは、外傷に伴って三角巾が必要になっても自然治癒力で良くなっていく子どもの姿を表現しています。バラは、最近我が家に仲間入りした「伊豆の踊子」です。
この本には、以下の特徴があります。
- 読者対象は、小児科医や研修医。
- 必ず知っておくべき子どもの骨折や肘内障に絞って解説。
- 原則、アートと実践を強調。
- 図やイラストを多用し、見やすくやさしい紙面。Seeing is believing!!!(百聞は一見にしかず!)
- 図の説明に、矢印や矢頭を丁寧に配置。
- 「病態」や「治療プロセス」を可視化できるエコー画像を提示。
- 情熱あふれる人物を紹介。
- 肘内障のエコーや整復操作の動画を掲載。
- 「語呂合わせ」や「言葉遊び」を取り入れ、楽しく学ぶヒントを共有。
- 「一隅を照らす」自然の癒しを紹介。
パラリンピックの番組で、レジリエンス(折れない心)という言葉を知りました。子どもは、たとえ骨が折れたとしても「折れない心」でその状況に順応し、自然治癒力で良くなっていくことがほとんどです。ただし、「成長軟骨板損傷」は慎重に経過観察しないと診断できないことがありますし、「Monteggia骨折」は意識して画像評価をすることが大切です。
皆さんが、この本を通して子どもの整形外科外傷に対する理解を深め、その知識や経験が日常診療に少しでも生かされることを祈っています。そして、皆さんの日常生活が、子どもとのface to faceな出会いを通して愛にあふれhappyになりますように!