Q&Aでわかる! 介護施設の紛争予防・対応マニュアル【電子版付】
介護施設でありがちなトラブルの予防・対応策を、介護法務に精通した弁護士が徹底解説
目次
1章 ● 介護事故
1 ● 紛争化しやすい介護事故の種類,対策
CASE 1 介護事故が発生した場合の介護施設や施設職員の責任
CASE 2 介護施設内を移動中の転倒事故
CASE 3 就寝時のベッドからの転落事故
CASE 4 自宅に送迎中の転倒・転落事故
CASE 5 誤嚥事故
CASE 6 徘徊事故
CASE 7 褥瘡管理
CASE 8 記録の重要性
2 ● 介護事故発生後の対応
CASE 9 介護事故が発生した場合の適切な対応
CASE 10 介護事故が発生した場合の謝罪の適否
CASE 11 治療費の施設負担を求められた場合の対応
CASE 12 利用者に原因不明の怪我が見つかった場合の対応
CASE 13 保険会社や弁護士への報告のタイミング
2章 ● 情報管理
CASE 14 利用者本人以外の者から利用者情報の提供を求められた場合の対応
CASE 15 利用者の遺族から生前の利用者情報の開示を求められた場合の対応
CASE 16 施設職員が利用者情報を漏洩した場合の,施設職員や介護施設の責任
CASE 17 感染者に関する個人情報管理上の注意点
3章 ● 高齢者虐待
CASE 18 介護施設内で利用者虐待が疑われる事態が発生した場合の対応
CASE 19 高齢者虐待に関する行政による立入検査への対応上の注意点
CASE 20 身体拘束に関する諸問題
CASE 21 家族による利用者虐待が疑われる場合の対応
4章 ● 安全確保・衛生管理
CASE 22 問題行動を起こす利用者に対する対策,対応
CASE 23 職員に対してセクシュアルハラスメントを行う利用者に対する対策,対応
CASE 24 利用者が施設職員に傷害を負わせた場合の,利用者,介護施設,家族らの責任
CASE 25 利用者から施設内での盗難の訴えがあった場合の対応
CASE 26 感染症への罹患が疑われる施設職員への対応
CASE 27 施設内感染が発生した場合の介護施設の責任
CASE 28 防災に関する介護施設の責任
5章 ● 労務管理
CASE 29 職員採用時に身元保証人を求める場合の注意点
CASE 30 正規雇用職員と非正規雇用職員との不合理な待遇差の禁止
CASE 31 年5日の年次有給休暇を確実に取得してもらうための方法
CASE 32 施設職員の副業・兼業を認める場合の注意点
CASE 33 施設職員への懲戒処分に関する諸問題
CASE 34 施設職員の不適切なSNS利用に対する対策,対応
CASE 35 施設職員が業務中に身体障害を発症した場合の,労災認定の可否や介護施設の責任
6章 ● その他の管理運営上の諸問題
1 ● 金銭管理
CASE 36 利用料の滞納への対策,対応
CASE 37 介護施設に対する寄附や遺贈の申し出を受けた場合の対応
2 ● 利用契約締結に関する問題
CASE 38 意思能力が疑わしい利用者との契約締結に際しての注意点
CASE 39 連帯保証人や身元引受人との契約締結に際しての注意点
3 ● 利用契約終了に関する問題
CASE 40 利用料不払いを理由とした利用契約解除の可否,注意点
CASE 41 ケアハウス退去時の利用者側の原状回復義務の範囲
4 ● その他
CASE 42 家族の利用者との面会権の有無,制限
CASE 43 会話録音に関する相手方の同意の要否
CASE 44 看取りに関する注意点
CASE 45 配置医の診療に基づく責任
CASE 46 付き添いの施設職員の,利用者に対する治療同意書の署名に応じる義務の有無
CASE 47 介護法務に精通した弁護士との顧問契約のメリット
序文
介護施設の関係者からは、以前であれば紛争にまで発展しなかった問題が紛争化するケースが増え、現場での対応に戸惑うことが多くなったとの声を聞きます。
介護施設の管理運営については各種法令による規制を受けていることから、介護施設に関する紛争の予防や紛争後の対応の方法を検討する際にも、直面する問題を法的観点から考察することが求められます。
しかしながら、問題の出来事について法的観点からの検討を十分に行うことなく、過去のやり方を踏襲したり、相手方との関係性を保ちたいがために場当たり的な対応を取ってしまうと、避けられるはずの紛争が激化することにもなりかねません。
本書では、介護施設に関する法律相談や紛争処理についての筆者自身の経験も踏まえ、介護施設が抱える様々な課題に対し、一般的な法律知識の提供や裁判例の紹介にとどまらず、各種法令に則した実践的な解決案を提示することを心掛けました。
具体的には、第1章では介護事故、第2章では情報管理、第3章では高齢者虐待、第4章では安全確保・衛生管理、第5章では労務管理、第6章ではその他の管理運営上の諸問題をテーマとし、それぞれについて問題になりやすい場面をQ&A方式で解説しております。
また、本書の特色としては、紛争予防・対応を検討する上で有用と思われる書式を幅広く掲載している点や、介護施設の管理運営において日常的に直面する課題であるにもかかわらずこれまで語られる機会が少なかったテーマも積極的に取り上げている点が挙げられます。
本書で介護施設における法的問題を完全に網羅できているわけではなく、個別に弁護士などの専門家に相談することが必要な問題も多々あろうかと存じますが、本書が介護施設を管理運営する方々にとって少しでも有益な内容となっていれば望外の幸せです。
執筆にあたっては、筆者が弁護士登録して以来変わらずご指導頂いている弁護士の宮澤潤氏と柴田崇氏、社会福祉法人香東園の石川紘嗣氏、同期弁護士の北村圭氏、公益社団法人全国老人福祉施設協議会、社会福祉法人博文会の皆様をはじめ、多くの方々から貴重なご意見、ご助言を賜りました。また、日本医事新報社の皆様には、企画から刊行に至るまで大変お世話になりました。ここに深くお礼申し上げる次第です。
レビュー
公益社団法人 全国老人福祉施設協議会 会長 平石 朗
上梓に寄せて
「このような冊子が欲しかった。まさに痒いところに手が届くというか,現場のことをよく理解した上で執筆された素晴らしい1冊」─私が本書を読ませて頂いた第一印象でした。 長野佑紀先生には全国老人福祉施設協議会の法律相談もご担当頂いており,先生から推薦文の執筆依頼を頂いた際は,二つ返事で引き受けさせて頂きました。 介護事故,情報管理,高齢者虐待,安全確保,衛生管理,労務管理をはじめ管理運営上の諸問題に関し,現場ですぐに役立つ具体的な情報が書かれており,書式も幅広く掲載されていて,素晴らしい1冊だと思います。 昨今,介護現場のみならず社会全体として変化のスピードは速く,対応が遅れそうになることもあります。 さらに出口の見えないコロナ禍の中,感染拡大防止に向け,従来以上に緊張感を持って日々の職務を遂行しており,職務内容の多様化も進んでいます。 そのようなときにそばに置いて役に立つのが本書であり,困ったときに困らないよう本書を皆様のバイブルとしてお使い頂ければ幸いです