診療所で診るトラベルメディスン【電子版付】
目次
Ⅰ章 総論
1 トラベルメディスンとは
2 渡航前診療の基本
3 産業医に必要なトラベルメディスンの知識
4 航空機旅行に伴うリスクと対策
5 海外の高所と健康対策
6 ダイビング
7 時差障害(時差ぼけ)
8 ワクチンで予防できない感染症
9 ワクチンで予防できる感染症
10 海外に薬を持参する際の注意点
11 現地の医療機関の受診方法
12 海外渡航時に必要な書類
13 渡航後診療
Ⅱ章 慢性疾患を有した渡航者
1 循環器疾患
2 呼吸器疾患
3 精神疾患
4 腎臓疾患
5 糖尿病
6 免疫不全患者
7 消化器疾患
Ⅲ章 注意が必要な渡航者
1 小児
2 妊婦・授乳婦
3 その他,注意が必要な渡航者
Ⅳ章 資料編
①トラベルメディスン関連webサイト一覧
②各種フォーム
序文
交通手段が発達した今日,多くの人々が容易に海外へ渡航できるようになった。大変素晴らしいことである。しかしながら,海外渡航には健康上のリスクが伴う。特に,基礎疾患など健康問題を有した渡航者は渡航中の環境の変化などの影響を受けやすく,重症化しやすい。
そこで注目されたのが,渡航に伴う健康問題を取り扱うトラベルメディスンである。近年,関連学会を中心に積極的な普及活動が行われた結果,トラベルメディスンを実践するトラベルクリニックの数は急速に増えてきた。その一方で,一般臨床の先生方にはトラベルメディスンはいまだ認識されているとは言いがたい状況のままである。
健康リスクの高い渡航者へ適切に対応するためには,担当医による医学的評価は不可欠である。したがって,いかに一般臨床の先生方にトラベルメディスンを普及させるかが大きな課題となっている。
このような状況の中,一般臨床医向けのテキストブックの編集を引き受けることとなった。より実践的な内容とするため,本書では,前半はトラベルメディスンの専門家に渡航に伴う健康リスク,対策,渡航後の体調不良への対応を,後半は臨床の先生方に専門分野の疾患対策や注意点についてご執筆頂いた。
ご協力頂いた先生方には深く感謝を申し上げるとともに,本書が多くの先生方の日常診療の助けになることを期待している。
2020年2月
医療法人社団航仁会 西新橋クリニック 理事長 大越裕文