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パーソナリティ障害

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-09-22
岸川淳子 (大谷地病院精神科)
平島奈津子 (国際医療福祉大学三田病院精神科教授)
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  • ■疾患メモ

    パーソナリティ障害(personality disorder)とは,認知,対人関係機能,行動(衝動制御),情緒の4つの領域のうち2つ以上について,その個人が暮らす文化の中で平均より著しく偏りが認められ,そのために不適応を起こしている個人の持続的な特性を言う1)

    精神科臨床では通常,診断はDSM-5(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,5th ed.)1)あるいはICD-10(International Classification of Diseases)に基づいてなされるが,重複診断が多い。

    反社会性パーソナリティ障害に関しては厳密に18歳に達するまで診断できないが,その他のパーソナリティ障害では特定の発達段階に限定されずに,継続すると見込まれる場合には小児期や青年期であってもパーソナリティ障害の診断を適用できる1)

    パーソナリティ障害患者の有病率は精神科外来患者の40%近くを占める2)

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    パーソナリティ障害患者が障害そのものを主訴として臨床場面に現れることは稀で,大抵の場合何らかの精神障害の症状を併存している。

    妄想性パーソナリティ障害:他人に対する疑惑や不信感が特徴で,短気で恨みを抱きやすい。彼らが自ら精神科を受診することは稀で,むしろ他科を受診した際に医療訴訟などを繰り返し起こすことがある。

    統合失調型パーソナリティ障害:著しく風変りな印象や思考が特徴で,ストレスによって一過性に精神病症状が出現することがある。統合失調症の病前性格とみなされているが,生涯にわたり疾病化しない者もいる。

    反社会性パーソナリティ障害:良心の呵責なく窃盗や暴力などの反社会的行動を繰り返すのが特徴である。不安や抑うつは認められないが,物質依存や身体へのとらわれが発現することがある。

    境界性パーソナリティ障害:自己や他者に対する評価が目まぐるしく極端に変わり,それに伴い情動や対人関係も不安定となる。また,衝動的な自己破壊的行動,制御困難な激しい怒りがしばしばみられる。慢性的に空虚感を抱き,それを埋めるために性的逸脱行為や物質依存に及ぶことがある。

    回避性パーソナリティ障害:批判や拒絶を過度に恐れるあまり,重要な対人関係や学業的・社会的活動を避け,ひきこもる。

    【検査所見】

    診断を確定できるような検査所見はない。

    心理検査:YG性格検査(矢田部ギルフォード性格検査),MMPI(ミネソタ多面人格目録Minnesota Multiphasic Personality Inventory),SCT(文章完成法テストsentence completion test),Rorschachテスト,P-Fスタディ(絵画欲求不満テストPicture-Frustration study)などがあるが,いずれも補助的な検査である。

    本人および家族の面接により,現病歴,生活史,職歴,現在までの対人関係のあり方などの縦断的な情報をふまえて総合的に診断する。

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