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摂食障害

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-12
切池信夫 (浜寺病院名誉院長/なにわ生野病院心療内科)
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  • ■疾患メモ

    摂食障害(eating disorder)は,主に神経性やせ症(anorexia nervosa:AN)と神経性過食症(bulimia nervosa:BN)からなる。

    ANは体重や体形についての感じ方の障害,強い痩せ願望や肥満恐怖などのため,不食や摂食制限,あるいは過食しては嘔吐するため,病的な低体重と,これらにより種々の身体・精神症状を生じる。

    BNは自制困難な摂食の欲求を生じて,短時間に大量の食物を強迫的に摂取しては,その後嘔吐や下剤の乱用,翌日の摂食制限,不食などにより体重増加を防ぎ,体重はANほど減少せず正常範囲内か肥満に傾き,過食後に無気力感,抑うつ気分,自己卑下を伴う。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    ANやBNに生じる主な精神症状,行動異常,身体症状をに示した。

    23_14_摂食障害

    【検査所見】

    摂食障害の診断につながる検査所見はない。しかし,低体重や栄養障害,過食や嘔吐により貧血,白血球減少,血清蛋白量の低下,高コレステロール血症,心電図異常,電解質異常(低カリウム血症,低ナトリウム血症など),血清アミラーゼ値の上昇,低T3症候群,視床下部─下垂体系の機能異常,脳波異常,CTやMRIで脳萎縮像などを生じる。

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