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うつ病

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
野村総一郎 (日本うつ病センター・六番町メンタルクリニック所長)
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  • ■疾患メモ

    うつ病(clinical depression)は,平成23年の日本の患者調査によれば,70万人を超える人が罹患している一般的な病気である。

    抑うつ気分,意欲の低下,極端な後ろ向きの考えを主体とした抑うつ状態のみを示すのがうつ病,抑うつ状態に加えて,それと正反対の躁状態(気分・意欲・行動の亢進,興奮,攻撃性など)も示すことがあるのが双極性障害である。両者は生物学的には異なる疾患とされるが,まとめて気分障害(mood disorder)と呼ばれることもある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    普段は通常の生活が送れるが,時に抑うつ状態となり,日常生活に支障が出る。

    きっかけとしてストレスがあることが多いが,不明確なこともある。

    抑うつ状態では,憂鬱気分,興味・喜びの減退,食欲低下,不眠,不活発,気力低下,罪の意識,思考力の減退,自殺念慮などが毎日,2週間以上続き,仕事,家事,学業などに支障が出る。

    【検査所見】

    生物学的な異常所見に乏しいので,診断は上記の症状に当てはまるかどうかで行われるが,バイオマーカーを診断に応用しようという試みも盛んである。たとえば,近赤外線スペクトロスコピーによる脳血流量の測定パターンによる診断や,血液中の脳由来神経栄養因子(brain derived neurotrophic factor:BDNF)の低値などが期待されている。

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