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不安神経症(全般性不安障害)

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-29
永田利彦 (なんば・ながたメンタルクリニック院長)
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  • ■疾患メモ

    不安神経症(全般性不安障害)〔anxiety neurosis(generalized anxiety disorder:GAD)〕は,慢性的で過剰な心配・不安が中心的な症状であるが,臨床場面での主訴は頭痛,肩こり,喉の詰まり,むかむか,胃痛,下痢,冷や汗,疲労感といった自律神経の過覚醒症状であるため,見過ごされやすい障害である。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    精神障害の中でも最も有病率が高い疾患の1つであるが,身体症状を執拗に訴えるのに,精神症状は否定することさえあるので,見過ごされることが多い。

    頭痛,肩こり,首こりをはじめとする筋肉のこり,筋肉痛,喉の詰まり,むかむか,吐気,胃痛,下痢,過敏性腸症候群といった胃腸症状,動悸,胸痛,息切れ(呼吸が短い),冷や汗,多汗,寝汗,手などの震え,めまい,そして疲労感といった,いわゆる不定愁訴と分類される身体症状を訴えることがきわめて多い。これらは,自律神経の過覚醒症状ととらえることができる。それらの訴えが執拗な場合,身体化障害(身体症状症)などと誤診されてしまうことも多い。

    背景となる中心症状は慢性的(おおむね6カ月以上続いている)で,過剰な心配・不安である。さらに,心配し過ぎることを自分でコントロールすることができない。その結果,集中困難,易疲労性,焦燥,不眠などが生じている。

    類似症状に恐怖症状がある。恐怖は,高所,閉所,雷,虫,血,などと対象が明確である。一方,心配・不安の対象は漠然としている。日常生活の細々したことから子どもをはじめとする家族のこと,そして自分自身のことを心配し,不安となる。

    【検査所見】

    不安神経症は従来診断で,現在は米国精神医学会の診断基準(DSM-5)などによって全般性不安障害(全般性不安症)と診断される。しかし,その診断項目を1つ1つ挙げて,直接的に患者に聞いても認めてくれないことが多い。そこで自記式スクリーニング用紙が有用である。

    GAD-7(Generalized Anxiety Disorder 7-item)という7項目の簡便,単純なスクリーニング用紙があり,英語版は無償で提供されている1)。日本語版もインターネット上で見つけることができる。あくまでスクリーニング用紙であるので,診断は医師に託されている。5点以上が軽症であるが,薬物療法の対象となるのは10点以上と考える。

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