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シラミ症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
秋田浩孝 (藤田保健衛生大学坂文種報德會病院皮膚科准教授)
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  • ■疾患メモ

    シラミは吸血を行う哺乳類の外部寄生虫であり,咀顎目(Psocodea)とシラミ亜目(Anoplura)の総称である。

    シラミ症とは,シラミ亜目の吸血性昆虫が人体に寄生し生じる皮膚疾患である。

    人体に寄生するシラミには,ヒトジラミ科に属するアタマジラミとコロモジラミ,ケジラミ科に属するケジラミがある(表1)。ケジラミは主に陰毛に寄生するため性感染症(sexually transmitted disease:STD)の1つと考えられているが,肛門部の毛や頭髪・眉毛・睫毛,髭,腋毛にも寄生することがある。また,成虫は人体から離れて気温15℃で1~2日間程度生存するため,寝具等から間接的に感染することもある。

    14_56_シラミ症

    ノミやトコジラミはよく混同されるが,シラミ目昆虫ではない。

    シラミはオス・メス関係なく,幼虫も成虫も皮膚から吸血するが,通常は皮膚に寄生しない。虫卵は7~10日で孵化し,約3週間で成虫となる。成虫の寿命は約3~4週間である。

    ■代表的症状・検査所見(表2)

    14_56_シラミ症

    【症状】

    激しいかゆみを主訴に受診する場合が多く,かゆみを起こす他の皮膚疾患との鑑別が重要である。

    【検査所見】

    シラミ成虫および,皮膚近くの毛に付着する虫卵(と殼)を肉限または顕微鏡で確認し診断を確定する。

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