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インフルエンザ

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-28
川名明彦 (防衛医科大学校感染症・呼吸器内科教授)
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  • ■疾患メモ

    インフルエンザは通常寒い季節に流行する。近年はA型(H1N1pdm09,H3N2)とB型(山形系統,ビクトリア系統)ウイルスが流行している。

    予後は良好だが,高齢者や基礎疾患を有する患者では重症化することもある。

    本項では成人のインフルエンザについて解説する。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    感染後,1~2日の潜伏期間を経て突然発症する。

    初発症状は,発熱,悪寒,戦慄,頭痛,筋肉痛,関節痛,倦怠感,食欲不振などの全身症状であることが多い。

    咽頭痛,鼻閉・鼻汁,乾性咳嗽などの呼吸器症状も発熱と同時もしくはやや遅れて出現する。

    他覚的には発熱,顔面紅潮,皮膚熱感,眼球結膜充血,咽頭発赤などを診る。下気道感染を合併しなければ,胸部聴診上で明らかな副雑音を聴取することは稀である。

    【検査所見】

    末梢血液検査では,軽度の白血球増加をみることもあるが,多くは正常範囲である。CRPも陽性を示すが,それほど高値ではない。このような検査値が著しく高値の場合は細菌感染の合併などを考えるべきである。

    胸部X線写真などの画像にも,合併症がなければ通常は明らかな異常は認めない。

    迅速診断キット(イムノクロマト法,酵素免疫測定法)により10~15分程度でA型,B型の判定が可能で,臨床的に汎用される。

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