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好酸球性筋膜炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-10
須田万勢 (聖路加国際病院Immuno-Rheumatology Center)
岸本暢将 (聖路加国際病院Immuno-Rheumatology Center医長)
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  • ■疾患メモ

    好酸球性筋膜炎は四肢の浮腫と硬化,末梢血中好酸球増多を特徴とする稀な疾患である。

    発症年齢は全年齢に及ぶが40歳代に多い。

    病態は不明な部分が多いが,古典的には強い労作や外傷が誘因となる。好酸球増加を伴い,IL-5やMMP-13が主な役割を果たしていると考えられている。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    浮腫期とそれに続く硬化期がある。浮腫期では,典型的にはスポーツなどの労作後,四肢に疼痛を伴う対称性の紅斑,浮腫(pitting edema)が起こる。症状は上・下肢のどちらかのことも,片側のこともありうる。強皮症のように皮膚が浮腫み,硬くなっていくがレイノー現象はなく,手足末梢(指)には病変がないことから,見わけることができる。また,体幹に症状が出ることは稀である。

    この皮膚の浮腫・硬化では,約半数の患者に静脈に沿った皮膚の凹み〔groove sign(図1・2)〕を認めることがある。静脈周囲の真皮上層と表皮に硬化が少ないために起こる現象で,患肢を心臓より高い位置に挙げ,外転させると見えやすくなる。

    皮膚硬化が進むと,皮膚はオレンジの皮のような凹凸〔"peau d'orange"(図2)〕を呈する。硬化と線維化が関節周囲に起こると,関節の拘縮が生じる。また,30~45%の患者に斑状限局性強皮症が合併する。炎症性関節炎や手根管症候群が合併することもある1)2)

    11_23_好酸球性筋膜炎

    【検査所見】

    血液・尿検査:疾患名にあるように,好酸球増加(>500/μL)は85%に認めるという報告もあるが,時間が経過すると好酸球増多を認めず,炎症反応上昇のみという場合もあるため,注意が必要である。高ガンマグロブリン血症(IgG>1500mg/dL)を伴うことが多く,単クローン性のIgG上昇(monoclonal gammopathy of undetermined significance:MGUS)を認める場合,ムチン沈着を認める硬化性粘液水腫との鑑別が必要となるため,蛋白電気泳動は確認を行う。筋膜炎であるためCPK上昇はほとんど認められないが,アルドラーゼ上昇を認めることがある。

    皮膚・筋膜生検,あるいはMRI:皮膚から筋膜までの全層(full-thickness,wedge)組織生検が確定診断のゴールドスタンダードである。皮膚浅部では強皮症に合致する病理像を呈することもあり,筋膜を含めない浅い皮膚生検では限局性強皮症や全身性強皮症との鑑別はできず,誤った診断につながる。また,好酸球浸潤はまだらに起きることもあり,組織診断に好酸球の浸潤は必須ではない。臨床診断と組織診断が合致することが重要である。また,事情により深い組織生検が難しい場合では,MRIがセカンドラインの診断的検査として有用である。MRIでは,T2強調画像またはSTIR画像で筋膜の高信号,肥厚,浮腫を認め,造影T1強調画像で筋膜の造影効果を認める3)

    国際的な診断基準は確立していないが,4)のような暫定的な診断基準が提唱されている。

    11_23_好酸球性筋膜炎

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