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重症筋無力症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-16
村井弘之 (国際医療福祉大学医学部神経内科学主任教授)
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  • ■疾患メモ

    2006年の全国臨床疫学調査によれば,重症筋無力症(myasthenia gravis:MG)の有病率は人口10万人当たり11.8人とされているが1),さらに10年経過した現在,患者数は2万人を大きく超えていると考えられる。

    神経系を侵す自己免疫疾患の中では最多のものであり,神経筋接合部を標的とした病原性自己抗体が検出される。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    眼瞼下垂,眼球運動障害,顔面筋力低下,構音障害,嚥下障害,頸筋や四肢筋の筋力低下,呼吸困難などが単独または複数の組み合わせで出現する。

    これらの症状は日内変動と易疲労性を有するのが特徴的である。

    症状が眼筋(眼瞼下垂,眼球運動障害)に限局しているものを眼筋型MGと呼ぶ。眼筋以外の筋に症状があれば,眼筋症状の有無にかかわらず全身型MGと分類する。

    【検査所見】

    約80%の症例にアセチルコリンレセプター(AChR)抗体が,約5~10%に筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)抗体が検出される。最近ではLDL受容体関連蛋白質4(Lrp4)抗体陽性例が報告されている。

    反復刺激試験にて漸減現象が認められる。

    単線維筋電図にてジッターの増大が認められる。

    約20~25%に胸腺腫が合併している(胸腺腫関連MG)。

    アイスパック試験で眼瞼下垂が改善する。

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