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慢性膵炎

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-06-15
正宗 淳 (東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野准教授)
下瀬川 徹 (東北大学大学院医学系研究科消化器病態学分野教授)
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  • ■疾患メモ

    慢性膵炎(chronic pancreatitis)は,膵臓の内部に不規則な線維化,細胞浸潤,実質の脱落,肉芽組織などの慢性変化が生じ,進行すると膵外分泌・内分泌機能の低下を伴う病態である。多くは非可逆性である。

    アルコール性が最多の成因であり,喫煙と併せて生活習慣病的な側面を多分に有する。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    腹痛・背部痛,食欲不振,悪心・嘔吐といった臨床症状を繰り返す時期(代償期)と,脂肪便や下痢といった消化吸収障害(膵外分泌機能不全)と膵性糖尿病(膵内分泌機能不全)が前面に出てくる非代償期,その間の移行期にわけられる。

    脂肪便が出現するようになると,低栄養状態をきたすとともに,脂溶性ビタミンや微量元素の吸収障害が臨床上問題となる。

    【検査所見】

    血中膵酵素の上昇を伴う腹痛発作を繰り返しながら,膵腺房細胞の脱落と線維化の進行に伴い膵外内分泌機能が低下していく。

    発症後期になると血中膵酵素は低値を示す。この時期になると腹痛は消失あるいは軽減することが多い。

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