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胃前庭部毛細血管拡張症

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-07-13
春日井邦夫 (愛知医科大学医学部内科学講座消化管内科教授)
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  • ■疾患メモ

    胃前庭部毛細血管拡張症(gastric antral vascular ectasia:GAVE)は胃前庭部を中心に放射状に走行する発赤像を伴う毛細血管拡張症であり,びまん性の発赤を伴う毛細血管拡張症はDAVE(diffuse antral vascular ectasia)と呼ぶ。両者は内視鏡所見の差として捉えられるが,病理組織学的には同一の所見を呈し,両者を合わせてGAVEと呼ぶことが多い1)

    消化管出血の原因疾患のひとつであり,肝硬変,慢性腎不全,強皮症や甲状腺機能異常症などの自己免疫疾患,大動脈弁狭窄症,無酸症などの基礎疾患を有する,比較的高齢者に発症することが多い。

    病因は明らかでないが,門脈圧亢進による毛細血管の脆弱性,蠕動亢進や粘膜の十二指腸への逸脱による機械的刺激,ガストリンなどの血管拡張物質,腎不全,自己免疫,代謝異常など,諸説ある。

    ■代表的症状・検査所見

    【症状】

    消化管出血とそれが原因で起こる貧血症状を呈する。

    軽症例は便潜血陽性や軽度の貧血精査のため内視鏡検査を行い発見される。

    重症例は間歇的な黒色便,吐下血などにより貧血が進行し,輸血が必要な場合がある。

    【検査所見】

    診断は内視鏡により行われる。胃前庭部を中心とした特徴的な毛細血管拡張像を呈する場合の診断は容易である(図1)。

    05_29_胃前庭部毛細血管拡張症

    鑑別診断として,びらん性胃炎,門脈圧亢進症性胃症,放射線性胃炎などがある。NBI(narrow band imaging)併用拡大観察の有用性も報告されている2)

    内視鏡検査時に活動性の出血を認めることは少なく,食事摂取や蠕動運動が誘因となり出血をきたすと考えられる。

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