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咽頭痛

登録日:
2017-03-16
最終更新日:
2017-03-29
稲垣剛志 (国立国際医療研究センター病院第一救急科)
萩原章嘉 (国立国際医療研究センター病院第一救急科医長)
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  • ■治療の考え方

    咽頭炎の原因となる病原体は主にウイルスと細菌であるが,その鑑別は難しいことが多い。

    咽頭炎は外来で治療可能なことが多いが,咽頭痛を訴える患者の中には扁桃周囲膿瘍,咽後膿瘍,急性喉頭蓋炎等,入院治療を要する疾患が存在することがあり,それらを適切に診断し治療を行う必要がある。

    ■病歴聴取のポイント

    溶連菌感染症では2~5日の潜伏期間の後,咽頭痛,嚥下時痛,悪寒,発熱を生じる。頭痛や嘔気,嘔吐もよくみられる症状である。

    成人において,溶連菌性咽頭炎を生じた後に扁桃周囲膿瘍を発症することがある。扁桃の上部にあるウェーバー腺という唾液腺が炎症を起こすと蜂窩織炎に発展し,炎症が進行することで閉塞,膿瘍形成へとつながる。歯周疾患,喫煙,慢性扁桃炎,複数回の抗菌薬使用歴,扁桃周囲膿瘍の既往が危険因子となる。

    咽後膿瘍では,咽頭痛(76%),発熱(65%),斜頸(35%),嚥下困難(35%)等の症状を認める。頸部痛を訴えることも多い。

    ■バイタルサイン・身体診察のポイント

    【バイタル】

    急性喉頭蓋炎は,1~2日の間に進行する嚥下困難,嚥下時痛を呈し,仰臥位で増悪する。流涎,嚥下困難,呼吸困難が古典的3徴とされるが,ほかにも発熱,頻脈,頸部リンパ節腫脹,触診時痛を有する。

    【身体診察】

    ウイルス性咽頭炎の場合,軟口蓋と扁桃に小胞と点状出血を認める。鼻汁を伴い,扁桃に滲出物(白苔)を伴わないことと関連がある。

    溶連菌感染症では,扁桃の発赤,滲出物(白苔),有痛性の前頸部リンパ節腫脹,口蓋垂腫脹を認める。発熱,筋痛,倦怠感を伴うが,鼻汁,咳嗽,結膜炎は伴わない傾向がある。

    扁桃周囲膿瘍の患者は全身状態が悪く,発熱,倦怠感,咽頭痛,嚥下時痛,嚥下困難,耳痛などを生じる。身体所見としては開口障害,くぐもった声,扁桃の正中下方への偏位,口蓋垂の対側への偏位,軟口蓋の浮腫,有痛性頸部リンパ節腫脹,流涎,脱水症状を呈する。

    伝染性単核球症は,発熱,咽頭炎,リンパ節腫脹の3徴候を認めるとされる。

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