株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

2040年度の医療・介護給付費は最大94兆円に―内閣府など試算

No.4910 (2018年06月02日発行) P.18

登録日: 2018-05-22

最終更新日: 2018-05-22

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

会合終了後の会見で概要を説明する茂木敏充経済再生相

内閣府、財務省、厚生労働省などは21日の経済財政諮問会議(議長=安倍晋三首相)で、高齢者人口がピークを迎える2040年を見据えた社会保障給付費の試算結果を示した。年2%前後の経済成長を前提とし、地域医療構想に基づく病床機能分化や医療費適正化が計画通り進んだ場合の推計(計画ベース)では、医療・介護給付費は40年度に92.5兆~94.3兆円となる。

計画ベースの推計によると、医療給付費は18年度の39.2兆円(対国内総生産〈GDP〉比7.0%)が40年度には66.7兆~68.5兆円(同8.4~8.7%)に、介護給付費は18年度の10.7兆円(同1.9%)が40年度には25.8兆円(同3.3%)に達する見込み。

社会保障給付費全体では、18年度の121.3兆円(同21.5%)が40年度には188.2兆~190.0兆円(同23.8~24.0%)まで膨らむ。保険料負担は40年度に18年度(70.2兆円)の約1.5倍に当たる106.1兆~107.0兆円に、公費負担は18年度(46.9兆円)の1.7倍に当たる79.5兆~80.3兆円に増える。医療福祉分野の就業者数は、生産年齢人口が縮小する中、18年度の823万人(全就業者の12.5%)から40年度に1065万人(同18.8%)まで増やす必要があると試算している。

■民間議員「75歳以上の伸びの鈍化の反映を」

試算結果を受け、民間議員(有識者)は消費税率引上げによる社会保障財源の確保を訴えた。また、19年度から3年間の歳出水準について「75歳以上人口の伸びの鈍化を踏まえて抑制策を検討すべき」と提言した。

■首相、医療機関の方針策定状況の報告を指示

また、安倍首相は「地域医療構想を着実に実現するには、25年までの医療機能別病床数の達成に向けた医療機関ごとの対応方針が重要」とした上で、加藤勝信厚労相に対し、今秋をメドに全国の方針策定の状況を報告し、先進事例の横展開を後押しするよう指示した。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top