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働き方改革、偏在対策、ICT関連施策に重点【2018年度厚生労働関係予算案】

No.4890 (2018年01月13日発行) P.14

登録日: 2018-01-11

最終更新日: 2018-01-11

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■薬価引下げで「目安」を達成

12月22日に閣議決定された2018年度予算案のうち、一般会計における社会保障関係費は32兆9732億円で、全体の3割超を占めている。

社会保障関係費の前年度からの伸びは4997億円(1.5%)となった。概算要求段階では6300億円と見込まれていたが、薬価の大幅引下げなどで1800億円近い財源を捻出。これにより、診療報酬全体(ネット)改定率は実質マイナス1.19%となったものの、診療報酬の「本体」、介護報酬、障害福祉等サービスはいずれもプラス改定となり、社会保障関係費の伸びの「目安」(5000億円)の範囲に収めた。

厚生労働省の所管分全体では31兆1262億円(対17年度比1.4%増)。このうち、医療関連は全体の38.5%に当たる11兆8079億円を占めている(表1)。2018年度予算案における新規項目と大幅増額となった項目(表2)を中心に紹介し、18年度の医療行政における主要施策を概説する。




■地域枠医師の支援に7.6億円

厚労省が予算案の1番目の柱に据えた「働き方改革」関連では、医師不足地域における若手医師のキャリア形成支援に7.6億円を計上。地域枠出身医師が医師不足地域で診療義務を果たす場合に、自己研鑽の機会や休日を確実に持てるよう、週4日勤務制の導入や代替医師の派遣、グループ診療、テレビ電話等を用いた診療支援などを行うため、モデル事業を実施する。

新専門医制度関連では、医師偏在の拡大を防止するため、研修プログラムが地域医療に与える影響を協議する都道府県協議会の経費を増額する。

■総合確保基金の医療分を30億円上積み

医師の長時間労働是正に向けては、病院実態調査を実施するほか、都道府県の「医療勤務環境改善支援センター」による医療機関への効率的な支援につなげる。また、産業保健の面では、治療と仕事の「両立支援」に20億円を計上し、患者、主治医、企業(産業医)の三者間の情報共有の橋渡し役を担うコーディネーターの育成・配置を推進する。

消費税増収分財源を活用して各都道府県に設置されている「地域医療介護総合確保基金」の医療分は、在宅医療の提供に関する事業への交付分として公費ベース(国・地方の負担分の合計)で30億円が積み増された。基金の総額は公費ベースで約934億円となった。

■データヘルス改革予算を5倍増

データヘルス改革の推進には、2017年度予算比5倍増となる85億円が計上された。健康・医療・介護分野のビッグデータを連結するプラットフォーム(情報基盤)の構築に向けた環境整備に充て、2020年度の本格稼働につなげる。医療機関の初診時に、本人同意の下で患者の基本情報や健診情報を共有できるサービスも、20年度からの本格稼働を目指し、運用面・技術面の課題を検証する。

■がん検診・精検受診率を向上

がん対策全体では、358億円(17年度314億円)を計上し、昨年10月に閣議決定された「第3期がん対策推進基本計画」に基づき、がんの早期発見と死亡者減少を目指し、がん検診・精密検査の受診勧奨を強化する。がんゲノム医療提供体制の構築も加速させる。

受動喫煙防止対策には42億円(同10億円)が計上。飲食店等における喫煙専用室の整備を助成する。難病医療では、都道府県の拠点病院を中心とした連携体制を構築するため、5.5億円(同1.9億円)を充てる。

■AMR対策のオンライン情報提供などに7.1億円

薬剤耐性(AMR)対策の推進については、7.1億円(同6.1億円)が計上された。医療専門職向けにオンラインでAMR関連情報や研修機会の提供を行う「臨床情報センター」の運営などに充当する。

■医療扶助、後発品使用を原則化

生活保護制度改正関連では、医療扶助の適正化の強化に49億円を計上し、後発医薬品の使用を原則化するとともに、福祉事務所の指導員による同行受診を通じて適正受診を図るためのモデル事業を実施する。

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