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膵癌診断におけるEUS-FNAの有用性と最近の進歩【膵癌の診断で高い診断能を発揮。さらなる感度向上のため試行錯誤が行われている】

No.4885 (2017年12月09日発行) P.60

角田圭雄 (愛知医科大学内科学講座肝胆膵内科学准教授)

石川卓哉 (名古屋大学医学部附属病院消化器内科学)

登録日: 2017-12-06

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  • 膵癌の診断における超音波内視鏡下穿刺術(endoscopic ultrasonography guided fine needle aspiration:EUS-FNA)の有用性と最近の進歩について,現在の課題や今後の展望についても併せてご教示下さい。名古屋大学・石川卓哉先生にお願いします。

    【質問者】

    角田圭雄 愛知医科大学内科学講座肝胆膵内科学准教授


    【回答】

    EUS-FNAは消化管および膵臓やリンパ節など,消化管近傍からの組織採取法として確立され,広く臨床応用されている手技です1)。最近の膵充実性病変に対するEUS-FNAのメタアナリシス(1997~2009年の33件の研究の解析)では細胞診の悪性診断における感度,特異度はそれぞれ85~91%,94~98%と報告されています2)。このように膵癌の診断においてEUS-FNAは高い診断能が示されていますが,感度を今よりさらに上げるべく,いくつかの試みが行われています。

    1つは採取した検体の確認の方法で,細胞検査士,病理診断医の立ち会いのもとに迅速細胞診(rapid on-site evaluation:ROSE)を行うことで感度が上がるとの報告がみられます3)。ただし,ROSEを行う環境を整えることのできる施設は限られているのが現状であり,今のところ多くの施設で肉眼によりミミズ状の灰白色の検体を確認しているのが実状です。

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