46歳,男性。副鼻腔気管支症候群のため,低用量マクロライド系抗菌薬で治療中でしたが,終日喀痰があり,年2~3回,気道感染の増悪がありました。しかし,仕事の関係で年の半分くらい東南アジアへ出張するようになり,症状が著しく改善しました。
慢性気道感染症の患者が転地により改善するのはどのような理由でしょうか。気候もしくは食生活によるものでしょうか。文献がありましたら併せてお願いします。
(愛知県 U)
副鼻腔には吸気の加温,加湿,除塵などの機能により,下気道を保護する役割があります。副鼻腔炎では,これらの機能が障害されて下気道に悪影響を及ぼします1)。慢性副鼻腔炎の原因はウイルスやそれに引き続く細菌感染による炎症が増悪を繰り返して慢性化するほかに,アレルギー性鼻炎も発症に関わっているという説もあります2)。ご質問の症例の慢性副鼻腔炎発症にアレルギーが関与しているのであれば,転地で何らかのアレルゲンを回避したことが副鼻腔炎改善につながったと考えられます。
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