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海外渡航者のジカ熱のリスクと説明【蚊刺咬を忌避剤等により予防し,胎児小頭症リスクを避けるため,妊娠・妊娠希望時は流行地域への渡航を控える】

No.4876 (2017年10月07日発行) P.57

岸田直樹 (感染症コンサルタント)

児玉文宏 (市立札幌病院感染症内科副医長)

登録日: 2017-10-09

最終更新日: 2017-10-03

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  • ジカ熱の世界的な拡大が問題となっています。海外渡航を控えている患者からも「何をどう注意したらよいのか?リスクは?」と聞かれますが,どのように説明したらよいでしょうか。妊婦が海外旅行をすること自体,今は避けたほうがよいでしょうか。市立札幌病院・児玉文宏先生にご回答をお願いします。

    【質問者】

    岸田直樹 感染症コンサルタント



    【回答】

    厚生労働省,世界保健機関(World Health Organization:WHO),米国疾病予防管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC),欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control:ECDC)から,それぞれジカウイルス感染症に対するリスクアセスメント,渡航前・渡航中・渡航後における注意点が公開されています。厚生労働省はおおむねWHOのアセスメントを利用しており,特に感染リスクの高いカテゴリー1と2の国々のリストは,最新のZika situation reportで確認できます。流行状況は国や地域でも流動的であり,必要に応じて現地ローカルニュースのウェブサイトやProMED-mailを確認し,渡航者へ情報提供する場合もあります。

    なお,2017年9月1日現在,わが国からの渡航者が多い東南アジアのカテゴリーにおいては,シンガポールがリスクの最も高いカテゴリー1,その他がカテゴリー2となっていますが,このジカウイルス感染リスクを知らない旅行者は少なくありません。

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