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【他科への手紙】リウマチ科→内科一般

No.4862 (2017年07月01日発行) P.47

川畑仁人 (聖マリアンナ医科大学リウマチ・膠原病・アレルギー内科教授)

登録日: 2017-06-30

最終更新日: 2017-06-27

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  • 日頃より、関節痛の患者さんをご紹介頂きありがとうございます。先日ご紹介頂いた患者さんは、最終的に変形性関節症に関節リウマチが合併したと診断しましたが、ご専門でない場合、初期の評価は難しかったことと思います。特に、外傷のない関節痛患者で、リウマトイド因子や抗CCP抗体陰性の場合、お困りになることもあるのではないでしょうか。

    関節リウマチの治療はこの約15年間で大きく進歩し、診療体系や予後も変わってきました。これには生物学的製剤の出現が影響しています。内科疾患の多くで早期治療の重要性が指摘されていますが、関節リウマチにおいても、機能障害が生じる前に治療ができるよう早期の治療介入とタイトコントロールが重要視されています。したがって、早期診断が必要とされ、初期対応の重要性がますます増加しています。

    さらに近年、“window of opportunity”という考え方が出てきました。これは、治療開始時期と予後は、単に治療開始が早いほど予後が良くなるというリニアな関係ではなく、ある時期に治療を行うことで、薬剤フリーでも寛解状態を維持できる、つまり治癒に近い状態になる確率が高くなるという考え方です。ある研究によれば、抗CCP抗体陽性の関節リウマチ患者では、症状出現から約3カ月以内、抗体陰性例では約6カ月以内という結果で、非常に短い期間となっています。

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