株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

C型肝炎の最新治療【第一選択はDAAsの併用投与。使用時には併用禁忌・注意薬に留意】

No.4833 (2016年12月10日発行) P.51

滝川 一 (帝京大学内科主任教授)

登録日: 2016-12-06

最終更新日: 2016-12-01

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

C型肝炎の治療はインターフェロン(IFN)に始まり,その後,各種の経口薬が開発され,それに伴って治癒率も長足の進歩を遂げてきた。日本肝臓学会は「肝炎診療ガイドライン作成委員会」を立ち上げ,2012年5月に「C型肝炎治療ガイドライン」を作成・公表した1)。その後も新薬の登場に伴う頻繁な改訂を行い,2016年10月時点での最新版は,2016年10月発行の第5.1版である2)

現時点でのC型肝炎治療薬の第一選択薬は,IFNフリーのdirect acting antivirals(DAAs)の組み合わせである。ジェノタイプ1型の慢性肝炎,代償性肝硬変症例に対しては,レジパスビル/ソホスブビル配合錠(ハーボニー®)もしくは,オムビタスビル/パリタプレビル/リトナビル配合錠(ヴィキラックス®)が第一選択薬である。ハーボニー®は重度の腎障害がない場合に,ヴィキラックス®はHCVのNS5A領域の分析を行い,Y93変異がない場合に用いる。

ジェノタイプ2型の慢性肝炎,代償性肝硬変症例に対する治療は,ソホスブビルとリバビリンの12週間の併用療法を,ジェノタイプ2a型の慢性肝炎限定ではヴィキラックス®とレベトール®の16週間の併用療法が第一選択薬である。

これらの経口薬には併用禁忌・注意薬が多数あり,その一覧表は日本肝臓学会HPの「C型肝炎治療ガイドライン」に記載されている。

【文献】

1) 日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会:肝臓. 2012;53(6):355-95.

2) 日本肝臓学会肝炎診療ガイドライン作成委員会, 編:C型肝炎治療ガイドライン. 第5.1版. 2016.
[https://www.jsh.or.jp/files/uploads/HCV_GL_ver5.1_Oct08_fina_Oct12.pdf]

【解説】

滝川 一 帝京大学内科主任教授

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連求人情報

関連物件情報

もっと見る

page top