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肺炎球菌ワクチンによって産生される抗体の性質は? 【抗体価レベルと免疫反応の関係など】

No.4829 (2016年11月12日発行) P.59

杉野安輝 (トヨタ記念病院呼吸器科部長)

登録日: 2016-11-08

最終更新日: 2016-11-08

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  • 現在,65歳以上の健康者に接種が推奨されている肺炎(双)球菌ワクチンについて,トヨタ記念病院・杉野安輝先生に伺います。
    (1)治験段階で産生または産生亢進が確認された抗体は,肺炎双球菌のどのような構造物を抗原とする抗体でしょうか。
    (2)一般に肺炎を克服した患者には,上記と似た性質の抗体が認められるでしょうか。
    (3)この抗体の高力価産生者と低力価産生者で,ワクチン接種後の肺炎発症率に差異は認められますか。

    (質問者:兵庫県T)


    【回答】

    (1)抗体の性質
    わが国において65歳以上の方に接種できる肺炎球菌ワクチンとしては,23価肺炎球菌莢膜多糖体ワクチンと13価肺炎球菌結合型ワクチンの2種類があります。両ワクチンはともに肺炎球菌菌体表面の莢膜多糖体が抗原成分であり,莢膜多糖体に対する血清型特異抗体の産生を促します。血中の抗体は補体とともに肺炎球菌菌体に作用し(オプソニン化),菌体は貪食細胞によって生体内から排除されます。

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