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固定式耳鏡を用いた低侵襲・高達成度の耳科手術  【外耳道の切開を浅く円弧状に置き, 外耳道皮膚を破らないことがコツ】

No.4812 (2016年07月16日発行) P.56

伊藤 健 (帝京大学耳鼻咽喉科教授)

登録日: 2016-07-16

最終更新日: 2016-10-29

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以前,本欄で,最近導入されつつあるハイビジョン内視鏡を用いた低侵襲耳科手術に関する紹介があったが,機器が高価である,片手操作となり細かい作業が行いにくい,などの欠点も有する。
一方,筆者はそれ以前から,固定式耳鏡を用いた外耳道内のみから行う術式を発展させてきた。これは耳鏡セット(先端の形状・サイズとも様々なものを用意)・脳外科手術用のフレキシブル固定腕・手術台に固定する台座固定器からなり,各パーツを組み合わせた自作のものを使用している。あらゆる3次元的位置・角度に耳鏡を固定することが可能なので,通常の手術用顕微鏡を使用して,外耳道からアクセスできる範囲内であれば,両手を用いた達成度の高い(アクセスできる範囲では耳後部を大きく切開した場合と変わらない)低侵襲手技が可能である。
一般の慢性中耳炎やアブミ骨手術(耳硬化症・先天奇形など)から(文献1),上鼓室の天蓋に至る真珠腫まで(文献2)が対象として可能である。また,外耳道の狭い小児においても適応可能である(文献3)。外耳道の切開を浅く円弧状に置き外耳道皮膚を破らないことがコツであるが,一般的な耳科手術に習熟した者ならば十分習得可能であり,また,訓練にも適している。

【文献】


1) 伊藤 健, 他:Otol Jpn. 2007:17(4):519.
2) 伊藤 健, 他:Otol Jpn. 2008;18(4):357.
3) 伊藤 健, 他:Otol Jpn. 2009;19(4):294.

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