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【私の一本】『カッコーの巣の上で』

No.4760 (2015年07月18日発行) P.79

河野和彦 (名古屋フォレストクリニック院長)

登録日: 2016-09-08

最終更新日: 2017-02-15

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  • 1975年製作のアメリカ映画。監督はミロス・フォアマン。アメリカの作家ケン・キージー(1935〜2001年)のデビュー作でベストセラーとなった小説の映画化。第48回アカデミー賞の作品賞、主演男優賞など5部門を受賞した。

    前頭葉機能の大切さを知った映画

    私は30年間を認知症診療に従事してきた。その間、ピック病の陽性症状に50年も前にできたウインタミンの低用量が著効することを発見したことは大きな成果であったと思う。

    ピック病は前頭葉機能が障害されるため、発病前とは違う人格になってしまう悲惨な認知症である。ところが、的確な治療によって社会性を獲得し発病前より素直になる症例があり、やりがいのある治療対象と言える。

    この映画は医学部1年のときに観たが、脚本とジャック・ニコルソンの演技のうまさには感嘆したものである。

    映画の中でも描かれているが、米国で行われていたロボトミーは、前頭葉を破壊して凶暴な患者をおとなしくさせる、非人道的な手術である。

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