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周術期管理チーム看護師

No.4707 (2014年07月12日発行) P.56

外 須美夫 (九州大学麻酔・蘇生学教授)

登録日: 2014-07-12

最終更新日: 2016-10-26

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日本麻酔科学会は,2005年に「麻酔科医マンパワー不足に対する日本麻酔科学会の提言」を発表し,2007年に「周術期管理チーム」構想を打ち出した。周術期管理チームのメンバーには,医師以外に看護師や薬剤師,臨床工学技士,事務職員など多職種の人々が加わることになる。チーム医療の結集により周術期医療,特に麻酔科医関連の業務を効率的に安全に遂行しようとするものである。
周術期管理チームでは,とりわけ看護師の役割が重要である。そこで,2014年度から「周術期管理チーム看護師」の制度が発足することになった。これは資格要件を設定し,審査の上,合格した看護師を周術期管理チーム看護師として認定する制度である。認定を受けた周術期管理チーム看護師は麻酔科医の業務全般に関する基礎的な知識を持ち,術前・術中・術後の麻酔科診療の補助を行うとともに,モニタリングを含めた医療機器や使用薬剤の準備など,麻酔科関連業務を麻酔科医と協働して行う。手術予定患者への麻酔の説明や病歴の聴取,術前評価などの術前診察業務や,麻酔の準備,そして麻酔中の麻酔診療の補助や麻酔後のケアなどが主な役割となる。
周術期管理チーム看護師は,現行の医師法ならびに保健師助産師看護師法の範囲内で,医師の直接的指示のもとに,麻酔科医が行う麻酔科診療を補助する。麻酔管理はこれまで通り麻酔科医が責任を負うことに変わりはないが,周術期管理チーム看護師が麻酔科医の診療補助を行うことで,麻酔科診療の安全性が高まり,麻酔科医の負担軽減にもつながることが期待されている。

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