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治療抵抗性高血圧への追加降圧薬

No.4703 (2014年06月14日発行) P.62

梅村 敏 (横浜市立大学医学部循環器・腎臓内科学教授)

登録日: 2014-06-14

最終更新日: 2016-10-18

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【Q】

カルシウム拮抗薬,アンジオテンシン受容体拮抗薬,サイアザイド系利尿薬の3剤併用でもコントロール不十分な治療抵抗性高血圧患者への4つめの降圧薬は何がよいでしょうか。薬を増やす前の注意事項も併せて,横浜市立大学・梅村 敏先生に。
【質問者】
河野雄平:国立循環器病研究センター高血圧・腎臓科部長

【A】

「利尿薬を含む適切な用量の3剤の降圧薬を投与しても目標血圧まで下がらない状態」が治療抵抗性高血圧です。薬を増やす前に真の治療抵抗性かどうか,以下のような鑑別が必要です。
(1)白衣高血圧,白衣現象
(2)服薬アドヒアランス不良
(3)食塩過剰摂取,肥満,飲酒などの生活習慣
(4)睡眠時無呼吸症候群
(5)降圧薬の不適切な選択や用量,薬効持続不十分
(6)腎機能低下や体液量増加,利尿薬の未使用
(7)他薬剤,食品による昇圧や降圧効果減弱
これらの要因が関与していなければ,4つめの降圧薬としては,アルドステロン拮抗薬の追加の有効性が報告されています。ついで,交感神経抑制薬(α・β遮断薬,β遮断薬,α遮断薬),さらにはαメチルドパなど中枢性交感神経抑制薬,血管拡張薬が候補になります。また,原則として同じクラスの薬剤の重複は避けるが,ジヒドロピリジンと非ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬の併用,レニン・アンジオテンシン系阻害薬の2種併用,サイアザイド系とループ利尿薬の併用も試みてよいでしょう。
また,適切な時期の高血圧専門医への紹介も考慮すべきです。

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