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馬蹄腎[私の治療]

No.5231 (2024年07月27日発行) P.51

佐藤裕之 (東京都立小児総合医療センター泌尿器科・臓器移植科部長)

登録日: 2024-07-27

最終更新日: 2024-07-23

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  • 癒合腎の一形態であり,癒合腎として最も頻度が高い疾患である。500人に1人の発生頻度で,男女比2:1と報告1)されており,基本的に治療は必要ないことが多い。

    ▶診断のポイント

    超音波検査・腹部CTなどの画像検査で,腎門部が腹側を向く回転異常とともに左右の腎が正中部で連結していることを確認する。臨床的に最も多くみられ治療が必要になる可能性がある病態が水腎症であり,この病態の診断および経過観察が必要となる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    基本的に経過観察であり,無症候性である限り治療介入しない。

    馬蹄腎として問題になる病態は,①水腎症,②膀胱尿管逆流,③尿路結石,④腎腫瘍があり,それぞれの場合において馬蹄腎の状態と併せて治療を考える必要がある。また,先天的に片側が低異形成腎や多囊胞性異形成腎(MCDK)である場合も存在し,治療により腎機能の低下をまねかないよう考慮しなければならない場合がある。

    治療を考慮する際に重要なのは,馬蹄腎の峡部がどのように存在し,他の合併する病態に影響しているかを評価する点である。峡部が閉塞等に影響しているようであれば峡部を離断した上で治療を行うことも考慮される。

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