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高齢社会における漢方薬の意義は?

登録日: 2024.02.13 最終更新日: 2026.02.21

田原英一 (福島県立医科大学会津医療センター漢方医学講座教授) 貝沼茂三郎 (富山大学学術研究部医学系和漢診療学講座教授)

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高齢社会における漢方薬の意義について,富山大学・貝沼茂三郎先生にご解説をお願いします。

【質問者】田原英一 福島県立医科大学会津医療センター漢方医学講座教授


【回答】

【複数の疾患をもつ高齢者には全人的アプローチをする漢方治療が有用】

高齢患者には生理的老化の上に病的老化が様々な形で加わり,老化に由来する臓器の障害が1人の個体に複数存在するのが大きな特徴です1)。そのような特徴を有する高齢者が急増する中で,医療の目標は今や個々のQOL維持・向上に設定されており,全人的なアプローチをする漢方治療は非常に有用です。また複数の疾患を持ち,服用中の薬剤数・薬剤量も多い高齢患者に対し,漢方治療は医療経済にも非常に有益であるとの報告もあります2)

ところで,漢方医学的なものさしの中で,特に高齢者に対しては次の2つの視点が重要です。1つは漢方医学において生命の存続維持を司るとされる3つの要素,すなわち「気」「血」「水」に目を向けることで,この3要素の過不足や流れの異常が病気の原因になると考えることです。特に加齢による衰えは生命力の低下であり,気すなわちエネルギーの低下と考えます。気の低下した状態を漢方医学では「気虚」と言い,その改善に気を補う生薬である人参,黄耆などが含まれる漢方薬(補気剤)が汎用されます。


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