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嗄声[私の治療]

No.5190 (2023年10月14日発行) P.38

鯨井 大 (独立行政法人国立病院機構東京医療センター救急科)

登録日: 2023-10-11

最終更新日: 2023-10-10

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  • 嗄声は発声の質の異常であり,全人口の約3人に1人が経験するとされる1)が,その原因は多岐にわたる。刺激物,炎症性変化,神経筋疾患,精神疾患,全身性疾患,悪性新生物などが嗄声の原因となりうる2)。急性発症,進行性で上気道閉塞の原因となる緊急性が高い疾患と,緊急性は高くないが,専門医による評価を要する疾患を,見逃さないように注意する必要がある。

    ▶病歴聴取のポイント

    急性発症,進行性でないかをまず確認する。慢性でも2週間以上持続している場合は専門医の評価を要する。随伴症状として発熱,咽頭痛,咳嗽,胸焼け,喀血,喘鳴,皮疹の有無,リンパ節腫大や体重減少の有無,加えて常用薬,アレルギー,刺激物やアルコール摂取の有無,喫煙歴,手術歴,外傷歴,職業などの聴取が鑑別に有用である。

    ▶バイタルサイン・身体診察のポイント

    バイタルサインは可及的速やかに測定し,SpO2の低下があれば迅速に治療を開始する。気道緊急が否定できない場合は反復もしくは連続での測定が望ましい。

    前傾で両手をつき下顎を突き出したtripod position(三脚位)と呼ばれる姿勢は,急性喉頭蓋炎をはじめとした気道緊急を想定する所見とされ,注意が必要である。気管挿管や輪状甲状間膜切開の準備をして診察に臨む。それ以外にも頻呼吸,努力様呼吸やstridor,流涎,不穏などを認めた場合は気道緊急を疑う。それらが認められなければ通常通り診察を行う。

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