株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

■NEWS 利用者負担や1号保険料の見直し議論を再開、年末までに結論―介護保険部会

No.5179 (2023年07月29日発行) P.70

登録日: 2023-07-14

最終更新日: 2023-07-14

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

社会保障審議会介護保険部会は710日、利用者負担が2割になる「一定以上所得」の判断基準や65歳以上の第1号被保険者の保険料の見直しについて、半年ぶりに議論を再開した。年末までに結論をまとめる。

「一定以上所得」の対象者は現在、被保険者の上位20%となっているが、部会が昨年まとめた報告書では、後期高齢者医療制度では2割負担の対象を被保険者の上位30%としている点にも留意しながら、見直しを検討するよう求めていた。

厚生労働省はこの日、「一定以上所得」に該当する世帯の平均的な収支の状況について、現行基準と後期高齢者医療制度に合わせて見直した場合の2パターンで推計した結果を示した。いずれも対象は75歳以上の世帯とした。

それによると、現行基準(被保険者の上位20%)に該当する世帯の収支は、①単身世帯:年収280万円、支出258万円、収支差22万円の黒字、②夫婦2人世帯:年収346万円、支出328万円、収支差18万円の黒字。

これに対して被保険者の上位30%に広げた場合は、①単身世帯:年収220万円、支出211万円、収支差9万円の黒字、②夫婦2人世帯:年収286万円、支出265万円、収支差21万円の黒字―となる。

一方、第1号被保険者の保険料は、低所得者の負担が過重にならないよう、市町村民税の課税状況などに応じて段階的に設定されている。現在、国が示す標準的な保険料の設定方法(標準段階)は9段階だが、市町村による柔軟な運用も可能で、多くの市町村が9段階を超える多段階の設定を行っている。

■高所得層の保険料引き上げ財源を低所得層に還元―厚労省が見直し案

こうした現状を踏まえ厚労省は、国の標準段階を市町村の運用実態に合わせる形で見直すことを提案した。今後見込まれるサービス利用の増加で低所得者の保険料負担が上昇するのを抑制する狙いがある。具体的には、最も保険料が高い第9段階の部分を細分化して現行よりも保険料が高い段階を新設するとともに、この保険料引き上げで得た財源を第1〜3段階の低所得者の保険料引き下げに還元。保険料の枠組内で所得再分配機能を強化する。

制度の持続性を確保する観点から、高齢者にも応能負担を求める方向について異論は出なかったものの、多くの委員から、負担増となる高所得層への影響を十分検証しながら慎重に議論を重ねていく必要性が指摘された。

関連記事・論文

もっと見る

関連書籍

関連物件情報

もっと見る

page top