臨床研究の規制のあり方を検討する厚労省の「臨床研究に係る制度の在り方に関する検討会」(遠藤久夫座長)の2回目の会合が16日に開かれ、関係者からヒアリングを行った。
このうち曽根三郎氏(徳島大)は日本学術会議の提言を紹介。提言では、特定の研究課題に対して研究代表者を公募し、研究資金を公的に助成する仕組みの構築を提案。具体的には、製薬企業などの民間資金を活用して基金を設け、臨床研究に関する適正化推進業務を行う「臨床試験推進部門」を医薬品医療機器総合機構(PMDA)内に新設するとした。このほか、研究不正を監視し、違反者に適切な対応をとる新組織の設立も提案した。
厚労省研究班として海外の臨床研究の規制制度を調査している藤原康弘氏(国立がん研究センター)は、日本と欧米の違いについて「欧米では生物統計家が社会的に認知され、臨床研究に生物統計家が関わるのは社会の常識になっている」と強調。また、米英では臨床試験に関して罰金や禁錮を含む罰則規定があるものの、それに基づき研究者の罪を問うことは「実際には難しい」と紹介した。
検討会では6月の次回会合でも関係者のヒアリングを実施予定。