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多発血管炎性肉芽腫症(GPA)[私の治療]

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  • ▶治療の実際

    【寛解導入療法】

    一手目 :プレドニン5mg錠(プレドニゾロン)体重50kgの場合:10錠/日 分2(朝・昼食後,朝食後に多く内服)または1回10錠1日1回(朝食後),下記①および②~⑥のいずれか1剤,併用

    プレドニン5mg錠(プレドニゾロン)は1mg/kg/日を2~4週間内服,その後漸減し,6カ月以内に維持量にする。

    ①ソル・メドロール注(メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム)1gをソルデム3A輸液(ブドウ糖-電解質液)200mLに溶解し,100mL/時で点滴静注,3日間連続投与。

    ②エンドキサン注(シクロホスファミド水和物)1回15mg/kg(点滴静注)。体重50kgの場合:エンドキサン注750mgを生理食塩水250mLに溶解し,125mL/時で点滴静注。最初の3回は2週間ごと,その後は3週間ごと計6カ月行う。投与1~2週後の白血球数≧3000/mm3かつ好中球数≧1500/mm3を維持するように,1回の投与量を調整する。ただし,1回の最大投与量は1.5g,総投与量は二次性発がん予防のため,10gを超えないようにする。

    ③リツキサン注(リツキシマブ)1回375mg/m2(点滴静注)。体表面積1.4m2の場合:リツキサン注525mgを生理食塩水500mLに溶解し,初めの1時間は20mL/時,次の1時間は80mL/時,その後200mL/時で点滴静注。投与時反応軽減目的で,前投薬としてポララミン注(d-クロルフェニラミンマレイン酸塩)5mg,水溶性プレドニン注(プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム)20mgを点滴静注する。また発熱,頭痛に対してはカロナール(アセトアミノフェン)1回500mg内服で対処する。白血球減少の程度に応じて,投与量の調整を行う。

    ④メソトレキセート2.5mg錠(メトトレキサート)を1週間に1~2日1日2回(朝・夕食後:12時間間隔)(1週間に8~16mg内服)。合併症予防として,メトトレキサート内服24~48時間以内にフォリアミン5mg錠(葉酸)を1錠内服。

    ⑤アザニン50mg錠(アザチオプリン)もしくはイムラン50mg錠(アザチオプリン)1~2mg/kg/日の内服。体重50kgの場合:アザニン50mg錠もしくはイムラン50mg錠1回1~2錠1日1回(朝食後)。

    ⑥セルセプト250mgカプセル(ミコフェノール酸 モフェチル)1回500mg 1日2回(朝・夕食後)から開始し,3000mg/日まで漸増

    【寛解維持療法】

    一手目 :プレドニン5mg錠(プレドニゾロン)1回1~2錠1日1回(朝食後),上記④~⑥のいずれか1剤・カプセルに併用

    【文献】

    1)日本循環器学会, 他:血管炎症候群の診療ガイドライン(2017年改訂版). 2018.
    https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2020/02/JCS2017_isobe_h.pdf

    2)Yates M, et al:Ann Rheum Dis. 2016;75(9):1583-94.

    3)Churg SA, et al:Arthritis Rheumatol. 2021;73(8):1366-83.

    神田浩子(東京大学大学院医学系研究科免疫疾患治療センター准教授)

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