株式会社日本医事新報社 株式会社日本医事新報社

CLOSE

COVID-19流行下でのRSウイルス感染症の状況について

No.5111 (2022年04月09日発行) P.49

神谷 元 (国立感染症研究所実地疫学研究センター)

伊東宏明 (亀田総合病院小児科主任部長)

登録日: 2022-04-11

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
    • 1
    • 2
  • next
  • 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下でのRSウイルス(respiratory syncytial virus:RSV)感染症の状況について,亀田総合病院・伊東宏明先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    神谷 元 国立感染症研究所実地疫学研究センター


    【回答】

     【2020/2021年シーズンは,流行開始が大幅に遅延し大規模・爆発的な流行となった】

    感染症発生動向調査を参考に,COVID-19流行下での2020/2021年シーズンのRSV感染症流行疫学について回答します。なお,わが国においてRSV感染症の流行開始/終了定義に関するコンセンサスはいまだありませんが,COVID-19流行前の過去5年において,おおむね年末までにそのピークを迎えていたことを前提に概説します。

    2020年は沖縄県・鹿児島県を除き,全国的にほかの市中感染症と同様,RSV感染症の流行はほとんど認めませんでした。2021年は年始より九州地方,春以降に本州・他地域において,季節外れの流行が確認されました。流行開始は半年以上遅れ,数倍の報告数(流行規模),かつ短期間に集積する爆発的な感染拡大となりました。年齢群としては,従来急性細気管支炎への進展など重症化することが多い乳児を中心としたものでしたが,年長児の報告が著明に増加しました1)

    残り1,113文字あります

    会員登録頂くことで利用範囲が広がります。 » 会員登録する

    • 1
    • 2
  • next
  • 関連記事・論文

    もっと見る

    関連書籍

    もっと見る

    関連求人情報

    関連物件情報

    もっと見る

    page top