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嗜銀顆粒性認知症の診断と治療のポイントは?

No.5110 (2022年04月02日発行) P.48

和田健二 (川崎医科大学認知症学教室主任教授)

足立 正 (鳥取大学医学部脳神経医科学講座神経病理学分野准教授)

登録日: 2022-04-05

最終更新日: 2022-03-31

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  • 嗜銀顆粒性認知症(argyrophilic grain disease:AGD)の症状や診断,治療上の注意点についてご教示下さい。
    鳥取大学・足立 正先生にご解説をお願いします。

    【質問者】

    和田健二 川崎医科大学認知症学教室主任教授


    【回答】

    【高齢,易怒性,左右差のある側頭葉萎縮で疑い,記憶障害を中心とした治療を行う】

    米国でのAlzheimer病(AD)に対する疾患修飾薬の登場に伴い,背景病理を意識した臨床診断がこれまで以上に求められるようになっています。AGDは,大脳辺縁系を中心に4リピートタウで構成される嗜銀顆粒が沈着し,認知機能低下を呈する神経変性疾患です。嗜銀顆粒のほかにも,pretangle,ballooned neuronと呼ばれる神経細胞の変化,bush like astrocyteと呼ばれるアストロサイトの変化やcoiled bodyと呼ばれるオリゴデンドロサイトの変化も観察されます。高齢者連続開頭剖検例の解析から,嗜銀顆粒は年齢とともに増加し,迂回回・扁桃核が最強変性部位で側頭葉外側および前帯状回に進展し,認知機能低下と関連することが報告されています。

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