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腎実質腫瘍[私の治療]

No.5106 (2022年03月05日発行) P.40

木下史生 (九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野)

江藤正俊 (九州大学大学院医学研究院泌尿器科学分野教授)

登録日: 2022-03-05

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  • 腎実質に発生する腫瘍の約90%は悪性であり,その多くは腎細胞癌である。腎細胞癌は腎実質の細胞が,がん化して悪性腫瘍になったものであり,一般的に腎癌は腎細胞癌を表す。腎臓にできるがんに腎盂癌もあるが,腎盂癌は尿路上皮の細胞が,がん化したものであるため,その病態と治療法は異なることから区別して取り扱う。

    ▶診断のポイント

    腎癌に特徴的な症状はない。小さいうちに発見される腎癌は健康診断や他疾患の検査において,腹部超音波検査やCT検査で偶発的に発見されるものがほとんどである。肺や脳,骨転移が先に見つかり,精査の結果腎癌が見つかることも少なくない。腫瘍が増大してくると血尿や腰背部痛,食思不振,嘔気,腹痛などを呈することもある。また,腎癌に特異的な腫瘍マーカーはなく,確定診断は手術検体もしくは生検による病理組織的検査による。
    腎癌との鑑別を要する疾患として,腎血管脂肪腫,腎囊胞,腎膿瘍,血腫が挙げられる。

    ▶私の治療方針・処方の組み立て方

    まずは造影CTで腫瘍の評価(造影剤が使用できない場合はMRIで代用も可)を行う。腎癌の組織型の約80%を占める淡明細胞型腎癌では,不均一に強く造影される典型的な所見を認める。腎癌が疑わしい場合には,転移巣の検索のため肺転移は胸部CT,骨転移は骨シンチグラフィで精査を行う。転移がない場合は外科治療〔手術療法(全摘除術または腎部分切除術),凍結療法など〕,転移があり根治切除が不可能な場合は薬物療法(免疫チェックポイント阻害薬,分子標的治療薬など)による全身治療とする。薬物療法の際には,投与前に超音波ガイド下もしくはCTガイド下にて腫瘍生検を行い,腎癌の診断を確定することが多い。小径腎癌で合併症により手術が困難な場合には,経過観察も適応となる。

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