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外耳道湿疹[私の治療]

No.5104 (2022年02月19日発行) P.44

水田邦博 (浜松医療センター中耳手術センターセンター長)

登録日: 2022-02-21

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  • 外耳道は,入口部に近い軟骨部外耳道と深部の骨部外耳道にわかれる。軟骨部外耳道の皮膚には毛囊や皮脂腺があり,皮下組織も厚く,体表の皮膚と同じ構造を持ち,体表に発症する湿疹と同じ病態がみられる。すなわち肥厚し,やや赤みを帯びた皮膚面が,乾燥と浸軟を繰り返し,痂皮の付着や漏出液をみる。骨部に発症した湿疹は,安定した時期には,薄い痂皮の下に,全体が軽く肥厚した皮膚がみられる。酸を塗布してみると,小さな点状のびらんを認める。悪化した状態ではこのびらんの数が増加し,肥厚が増し,湿った膿汁が貯留する。真菌が付着して胞子がみられることもある1)

    耳漏や薬物の刺激が誘因となり,過敏性に現れることが多い。かゆみが初めにあり,それをいじることがきっかけになる場合も多い。アレルギーの関与を重視する報告があるが,異論もある。アトピー性皮膚炎や喘息の合併している例では,アレルギーの関与も考えられる。しかし,このアレルギーの抗原が何かはわからないことが多い。遠隔部位にある真菌の感染巣が引き起こすアレルギー反応で,慢性の骨部外耳道湿疹が起こる場合もあるという1)2)

    ▶診断のポイント

    主訴はかゆみが多い。問診のポイントは,「頻繁に耳をいじっているか」と問うことである。湿疹の患者は毎日熱心にいわゆる耳掃除をしていることが多い。外耳道入口部だけでなく,深部まで,症例によっては鼓膜表面までいじっている場合もある。所見では,外耳道は全体が湿潤し,柔らかい痂皮がついていることが多い。痂皮は乾いていることもある。局在性では,このような痂皮の付着が病変部位を知らせることも多いので,常に顕微鏡下に外耳道全体を俯瞰することを心がける。診断が難しいのは,前壁の深部外耳道に局在するもので,痂皮の除去後内視鏡を使う場合もある。痂皮を除去すると病変部は湿潤し,軽度の発赤をみる。酸で焼灼すると,スポット状に白変する病変部位が明確になる。

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